ワヤン・クリ(Wayang Kulit)という影絵人形芝居をご存じだろうか。美しく、そして異形の人形たちが、ガムランの演奏とともに物語を繰り広げるインドネシアの伝統的な芸能である。各地に残るその表現は世界無形文化遺産にも登録されており、日本では「ワヤン」と縮めて呼ばれることも多い。
今回、大阪では久方ぶりとなるバリのワヤン・クリが、2022年7月17日(日)に西淀川区民会館で披露される。出演するのは、日本におけるバリのワヤン人形遣いの第一人者・梅田英春と、彼が率いるワヤン・トゥンジュク梅田一座。そして、大阪でガムランの演奏活動を行うギータ・クンチャナだ。
梅田の著書『バリ島の影絵人形芝居ワヤン』(めこん、2020年)によると、日本でバリとともによく知られるジャワのワヤン・クリはイスラム文化の影響を受けて変化していった過程があり、一方でバリのワヤンは島の文化のなかで独自の変化を遂げていったとのこと。豊かな彩色が施され、神秘的な姿形をしたバリのワヤン人形は見ているだけで楽しく、そのルーツとあわせて鑑賞するとより興味深く感じられるだろう。
ギータ・クンチャナ主催の本企画は、2013年から2年に1度大阪で上演されてきたが、昨年2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となり、今回はリベンジとなる。3年ぶりの上演、演目は『ビマの鬼たいじ』だ。ギータ・クンチャナのブログには、以下のあらすじが綴られている。バリのワヤンの世界を、この機会に目の当たりにしたい。
マハバラタより、子どもから大人まで楽しめる演目です。
《人を食べる恐ろしい鬼たちが村にやってきました。
村を守るために、パンダワ兄弟の次男ビマが美女に化けて鬼たちにふるまわれるご馳走に潜り込みます。
その企てはうまくいくのでしょうか?!
力自慢のビマは少しおっちょこちょいなのです・・・》
(ギータ・クンチャナ ブログより)
日時:2022年7月17日(日) 13:30開場、14:00開演
会場:西淀川区民会館(エルモ西淀川)ホール
料金:前売2,500円(高校生以下500円)、当日3,000円(高校生以下1,000円)
※前売りの締め切りは7月15日(金)まで出演:梅田英春、ワヤン・トゥンジュク梅田一座(以上、影絵人形遣い)、ギータ・クンチャナ(演奏)
主催:ギータ・クンチャナ
後援:学校法人大阪音楽大学、大阪府芸術文化振興事業
予約・問合:ticketgitakencana@yahoo.co.jp(予約時は件名を「影絵芝居予約」として、名前、携帯電話番号、人数を記入の上連絡)
西淀川区民会館
大阪市西淀川区大和田2-5-7
エルモ西淀川