<作家より>
この写真展は、約7年間を通して、35mmネガフィルムを用いて撮影した展覧会となります。
タイトルの「不失花(うせざるはな)」は能楽師、世阿弥が残した書物『風姿花伝』より引用させていただきました。
「若さが衰えても、失せることのない、まことの花」という意味です。
主に『風姿花伝』は役者、舞台人に向けて書かれた指南書でありますが、私のような舞台とは無縁の人間にも不思議と心に沁み入る言葉です。『花は、蕾が開いてから枯れ落ちる過程に物語がある。日々の精進を怠ることが無ければ枯れた後でも、そこに風情は残るので、世を嘆きなさんな』と(かなり意訳ですが)私、個人は、解釈しております。
旅先で邂逅した、二度と逢えない花。
誰も通らない道で、静かに咲き誇る花。
部屋の花瓶の中でひっそりと翳りゆく花。私の目の前に立ち現れては消えてゆく花と景色をフィルムで記録しました。
ぜひご高覧下さいませ。–
石川文子(いしかわ ふみこ) 略歴
1974年、大阪生まれ。■ おもな個展
2016年「水とひかりをからだにまとひ」ミリバールギャラリー(大阪/本町)
2014年「トゥオネラ」ミリバールギャラリー(大阪/本町)
2011年「僕には光が見えはじめている」ニュートロン(東京/青山)
2011年「水の鳥」月眠ギャラリー(大阪/北浜)
2009年「水中花」deem FIVE MANSION GALLERY(神戸/元町)
2006年「光ノ窓」ニュートロン(京都/三条)
2006年「青ノ水」月と六ペンス商会(大阪/靱本町)
2005年「青ノ鳥」ギャラリーアンテナ(京都/五条)
2005年「赤ノ鳥」迦奈泥庵(大阪/谷町九丁目)
2004年「邂逅の光」全興寺平野茶屋(大阪/平野)
2001年「ノンクライマックス」原子心母(東京/新宿ゴールデン街)
2000年「車窓より、その他短編」 Bar パゴージ(京都/木屋町)
1999年「四月魚」「コインロッカーの鍵」 Bar パゴージ(京都/木屋町)
1998年「よあけまで」東川町文化ギャラリー(北海道/東川町)
1996年「Untitled」TANK GALLERY(大阪/心斎橋)■ スライドの活動
詩人、豊原エスとのユニット「水窓-sui sou-」にてスライド担当。
35mmポジフィルムを古いスライド映写機を用いて、毎回ミュージシャンやダンサーをゲストに迎えスライドショーを行う。■ 書籍
2014年 ポストカードブック「僕には光が見えはじめている」(私家版)
2011年 写真詩集「水の鳥」(豊原エスとの共著/私家版)
2006年 ポストカードブック「光ノ音 – a note of a light – 」(私家版)■ CD、アーティスト写真
Magdala、animanimus、いかんせん花おこし、Eine、あふりらんぽ(Webサイトより)
会期:2023年5月2日(火)〜5月7日(日)※会期中無休
会場:ギャラリー・ソラリス
時間:11:00~19:00
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F