展覧会「しせい」が、2023年7月29日(土)までBLOOM GALLERYで開催中だ。詩人の辺口芳典、写真家の大竹央祐、そしてtamari architects共同主宰の寺田英史、コムウト代表の舩橋耕太郎、BLOOM GALLERYの窪山洋子が協働し立ち上げた本展は、写真を通してまちをアーカイブするとともに、来場者が撮られた写真を客体として観るのではなく、写真に自分ごととして関わることのできる場を生み出す。
開催のきっかけは、2022年に同ギャラリーが導入した、銀塩ミニラボ機を使った即興的な展覧会企画を窪山が辺口に相談したことにさかのぼる。そこから、辺口が大竹と兼ねて思考していた「市井(しせい)」をテーマにした写真展へ結びつき、人の営みが息づくまちをまなざす上では建築家の存在が欠かせないと、展示構成として寺田・舩橋もメンバーに参加。「本庄西の施工地区」と呼ばれるビルの営繕に界隈の賑わいづくりとして取り組むなかで創作した、什器や建具がまちの営みの一部として会場にインストールされることになった。なお、本展におけるメンバーの肩書きは「し人」(辺口)、「写人」(大竹)、「設人」(寺田)、「工人」(舩橋)、「大人」(窪山)と、各者の役割が「人」で表されている。それぞれの視点と技術がつながり、場が創出されていくそのプロセスも市井的と言えるだろう。
広報文には「みんなが参加できる遊びが市井(しせい)なんだと思う」とあり、トークやワークショップなどの関連イベントも充実する本展。場に居合わせ、写真に向き合いながら、他者とまちの一員として共存する手応えを感じてほしい。
辺口芳典 / Yoshinori Henguchi
1973 大阪生まれ
2000 文芸誌「Wasteland」で詩人デビュー
2011 ドイツ・デュッセルドルフのゲスト・アーティストに選出され「media artist」を発表
2014 アメリカ・シアトルから日英バイリンガルの詩集「Lizard Telepathy Fox Telepathy」
2018 edition.nordから出版された「mean」がブルノ国際グラフィック・ビエンナーレに入選
2020 詩集「水の家」
2022 芝田一絵と共にデュッセル、ケルン、フランクフルトにて演劇「Shibataie」ツアー大竹央祐 / Yosuke Ohtake
1989 大阪生まれ
2013 京都工芸繊維大学卒業
2015 建築写真家として独立
2015 原広司WALLPAPER展メインビジュアル
2021 写真集「Beyond Inn Out」舩橋耕太郎 / Kotaro Funahashi
1982 大阪府生まれ
2005 大阪市立大学工学部建築学科卒業
2007 同大学大学院修士課程(中谷礼仁研究室)修了
2007〜13 LLP吉川の鯰(現 鯰組)
2013〜 舩橋工務店 主宰
2021〜 コムウト 主宰寺田英史 / Hidefumi Terada
1990 埼玉県生まれ
2013 横浜国立大学卒業
2015 横浜国立大学大学院Y-GSA修了
2015〜22 dot architects
2022〜 tamari architects
2022〜 中央工学校osaka 非常勤講師
2023〜 京都芸術大学 非常勤講師窪山洋子 / Hiroko Kuboyama
1981 福岡生まれ
2004 武庫川女子大学生活環境学部建築デザインコース卒業
2009 ブルームギャラリー設立
2015 大阪市立大学大学院創造都市研究科都市政策専攻修了
2019 写真のよろず相談所「しゃしんのまど」開設
2023 写真整理と写真プリントのお店「まちのしゃしんやさん」事業を開始。
会期:2023年6月17日(土)〜7月29日(土)
時間:水・木・金土曜10:30〜17:00
休廊:日・月・火曜
参加:辺口芳典、大竹央祐、寺田英史、舩橋耕太郎、窪山洋子
関連イベント
TALK「金曜の会 × 建築の施工と写真」
日時:2023年6月30日(金)19:00〜21:00
WORK SHOP「写真を水で貼っつけるWS」
日時:2023年7月2日(日)10:00〜12:00、14:00〜16:00
※雨天時は7月9日(日)14:00〜16:00に開催WORK SHOP「写真を見て閃く文を書くBar」
日時:2023年7月28日(金)19:00〜21:00
CLOSING EVENT「写真を植えにいく」
日時:2023年7月29日(土)17:00〜18:00
大阪市淀川区新北野1-11-23
ハイム北野B103