河原明日菜は、「既視感を感じた時に、喜びと懐かしさも同時に湧き上がる」という彼女の感覚を再現するために制作に取り組んでいます。彼女は長い間連絡を取っていなかった親しい友人に偶然出会った際に感じるような喜びと懐かしさを例えにしています。
彼女は収集したコレクションを参考にして作品を制作しており、手のひらサイズの鉱物や化石、海で拾った石などが彼女のコレクションの一部となっています。損傷して機能を失ったアイテムも含まれており、彼女はそれらの要素を組み合わせ補完することで、既視感を表現することができると語っています。
一方、米田湧泉は、見ることに関心を持つ作家です。彼は、対象を見ようとしたとき、自己と対象の間に像が生まれると考えており、その像を捉えた制作を行っています。
本展では、版画の特性に注目し制作した作品を出品します。その特性とは、木版に彫られた実在するイメージを和紙に写し取るということです。彼にとって、その特性は、対象の姿を目に映すことと重なると言います。
河原と米田は、両者とも親しみやすいモチーフを参考にしながら制作していますが、完成した作品は、現実的な要素と捉えづらさが共存する、二度見してしまうような魅力を備えています。
この展覧会では、二人のアーティストが自身の感覚や視覚的な体験を作品に反映させることに注力し、新たな視覚的な発見に焦点を当てています。
作家プロフィール
河原明日菜|Asuna Kawahara
1999年兵庫県生まれ。大阪教育大学 教育協働学科 芸術表現専攻美術表現コース 卒業
石をモチーフにした絵画制作を行う。主なグループ展
2023 CYPRIS GRAND PRIX 2023|アトリエキプリス(大阪)
2022 第9回一展|イロリムラ(大阪)
2021 第8回一展|イロリムラ(大阪)米田湧泉|Wakumi Yoneda
1998年京都府生まれ。大阪教育大学大学院教育学研究科修了
肉眼で見えづらい物事や状況を起点に平面上での制作を行う。個展に「矩形のSPACE」(ワクチン ART DRUG CENTER 2F 2020)。
主なグループ展に、「春の新生活応援祭りvol.2」(マンションみどり 2023)「軸展(仮)」(アサノヤ 2022)「モノクローム」(SUNABAギャラリー 2020)など。(主催者より)
デラハジリ企画展
河原明日菜+米田湧泉「二度見」会期:2023年7月8日(土)〜30日(日)※土・日曜のみオープン
会場:デラハジリ
時間:14:00〜18:00
問合:デラハジリInstagramのメッセージにて
会期中イベント
展覧会振り返り
日時:7月30日(日) 13:00〜14:00
※Instagramにてライブ配信
藤井寺市国府1-1-7 里庭の箱