美しい夢と悪夢の境目で、母子の愛の絆、そしてそれに対する飽くなき渇望を提示する Adamaの絵は、動物の母親が子を守る時の思いやりや威嚇を彷彿とさせる。しかし今回の場合は、母の方が子に喰われる脅威にさらされている。それは、人間の子育ての本質と言えるのではないだろうか。流動的で豊かな線を主として、様々な輪郭、乱れた落書きのような線、そして大胆な形や装飾的な柄が組み合わさったAdamaの作品は、まさに drawingとpaintingの架け橋のような存在だ。それらの作品は、母性を与える母と与えられる子といった家族の人生を表現し、母親の身体は子との絆を育み遊ぶ場として存在していて、子を取り込んでしまいそうな雰囲気さえ感じる。
Mequitta Ahuja(画家・フェミニスト)
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「母は子に時間を食われる」ではなく、「母は子に食われる時間を過ごす」なのだ。そのおおらかなニュアンスと肌感覚が、 保護者であり絵描きであるこのアーティストを体現している。 家族の肉体と時間が作家自身を侵食して祝福されたクリーチャーとなる。 シオラレオネ人の夫を持ち2児の母となったAdama C.Turayは、 アフリカンネームを名乗る日本人の画家である。 本展は実に9年ぶりとなるyolchaでの個展となる。
gallery yolcha イルボン
【Adama C.Turay】
1975年和歌山県生まれ、1988年大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業。
「絵はその絵描きの愉しみであり、また、束縛するものでもある」
人間について探求することをテーマとし、制作活動を行う。
https://chimo1117.wixsite.com/adama(主催者より)
Adama C.Turay 個展 “Mother spends time eaten by children”
会期:2023年7月15日(土)〜8月13日(日)
会場:gallery yolcha
時間:13:00〜19:00(日曜のみ 12:00〜19:00)
休廊: 火〜木曜、8月11日(金・祝)
料金:yolcha 運賃制(300円で乗車券を購入/同金額分ドリンク利用可)
大阪市北区豊崎1-1-14