此花の現代美術ギャラリー・the three konohanaにて、此花在住の建築家ユニット・NO ARCHITECTSとの共同企画による展覧会「PRE KONOHANA MUSEUM(プレ・コノハナ・ミュージアム)」が開催される。本展は、同ギャラリーの開廊10周年記念展の第3弾。
阪神なんば線・千鳥橋駅の南側に広がる大阪市此花区梅香・四貫島エリアでは、2007年に地元の不動産会社・政岡土地(株)が主導して、アートを活用したまちづくりの取り組みが始まった。以降、大阪内外から多くのアート関係者が転入して自律的な活動を行い、今では大阪のアートシーンに欠くことができない重要な創造界隈となっている。
毎年のように開かれた活動拠点が立ち上がる一方で閉鎖するところもあり、2007年以降このエリアで創造的な活動を行った人はのべ数百人にのぼるとみられるが、これまでその歴史や変遷が地域内外の人々に共有されるようなかたちで包括的に記録/アーカイブされることはなかった。
そこで本展は、まちとアートの関係が継続的に育まれてきた約15年間の活動の蓄積を可視化し、その変遷をたどる機会を創出することを目的として開催。
2011年から此花で活動するNO ARCHITECTSが長年収集してきた、当エリアで開催された多数のイベントや展覧会の広報物を中心に、関連する各種資料を整理し、10年前に自ら設計を担当したthe three konohanaのギャラリー空間に仮設の「まちのミュージアム」を想定した空間を構築して展示する。
the three konohana代表の山中俊広によると、此花独特のまちとアートの関係、その成熟の過程はこれまでも注目を集めてきたが、近年は周辺を取り巻く状況からその認識に隔たりを感じることが度々起きているという。
本展を通じて、当エリアの特徴や個性、そして15年もの歳月をかけて紡がれてきた「まち」の文脈を人々が捉え直すことで、まちとアートが良い関係を維持しながら、新たな表現を生み出す磁場としてますます発展していくきっかけとなることを期待したい。
西山広志、奥平桂子により共同主宰。
2009年 神戸芸術工科大学大学院を共に修了し、nishiyamahiroshiokudairakeiko として活動を開始。
2011年 大阪市此花区へ事務所移転に伴い NO ARCHITECTS 設立。
建築をベースに、設計やデザイン、インスタレーション、ワークショップ、会場構成、まちづくりなど活動は多岐にわたる。
また、音楽家や美術家、写真家、劇作家、詩人、ダンサー等とのコラボレーションや、展覧会の企画など領域をまたいだ活動も行っている。
著書に『NO BOOK』 (OOO PRESS)、『REMIX TOWN』 (RAD)など。
現在、西山は摂南大学 ・ 近畿大学・京都芸術大学 非常勤講師。奥平は京都芸術大学 非常勤講師。
開廊10周年記念展 Vol.3「PRE KONOHANA MUSEUM」
会期:2023年11月3日(金・祝)~26日(日)
会場:the three konohana
時間:12:00~19:00
休廊:月〜水曜
企画:NO ARCHITECTS、the three konohana
大阪市助成事業
大阪市此花区梅香1-23-23-2F