大阪のまちを巡りながら、アートやデザインに出会う周遊型のエリアイベント「Osaka Art & Design 2024」(以下、OAD2024)が、2024年6月25日(火)まで開催中だ。
2023年より始動した「Osaka Art & Design」は、関西圏のクリエイティブシーンを活性化させることを目指すプロジェクトだ。2年目となる今回は「Resonance 〜共鳴の拡張〜」をテーマに掲げ、個々の属性や領域を超えた共感にフォーカス。梅田からなんばまで55ヵ所のギャラリーやショップが参加し、およそ200プログラムを通じてアート作品やデザインプロダクトなどの展示・販売を行う。
参加ギャラリーのひとつである竹尾 淀屋橋見本帖では、展示会「かみと祈り -Paper Altar-」を開催している。「Paper Alter」は、紙の専門商社である竹尾と、京都で永きにわたり仏壇・仏具製造を行う老舗・若林佛具製作所との共同プロジェクト。初のコラボレーションにあたっては、デザイナー・三澤遥と建築家・鬼木孝一郎が、宗教を超えた「祈り」や自然との共生をテーマに、紙の可能性を探る。6月23日(日)には、三澤と鬼木によるトークショーも実施し、服部天神宮のお守りや絵馬などをデザインするUMA/design farmの原田祐馬をモデレーターに迎え、祈りという精神⽂化をかたちにすること、⽣活習慣とデザインとの折り合いや素材との向き合い⽅など、さまざまな角度から“祈りのデザイン”について深く掘り下げる。
また、京町堀のデザイン事務所SIDES COREでは、オリジナルの照明「TRIANGLES」の展示会を行う。2011年に発表されたTRIANGLESは、その名の通り、すべての面が三角形で構成された照明器具だ。光を受けると見る角度によって色や表情を変化させ、住宅からコンテンポラリーな空間まで幅広く調和する。本展では、日常で収集したカラーピースから選んだ7つの新色と既存の2色を合わせた計9色が、これまで手がけたインテリアアイテムなどとともに展示される。
そして、南船場のカッシーナ・イクスシー大阪店では、空間デザイナー・池田励一と黒谷和紙作家・ハタノワタルによる展覧会「空間の欠片(かけら)」を展開。会場へ断片的に配置した屏風を欠片と見立て、その空間のあわいから人や物のあり方、つながり、分離といった可能性を探る。訪れた人は、紙による新たな空間構成の可能性や、ディテールと質感を体感することができる。
さらに、なにわ橋のアートエリアB1では、Osaka Art and Designが企画する「HIZO market OSAKA Art & Design 2024」を実施。村田智明、三木健、服部滋樹、江口海里、嶋野陽介など、関西にゆかりのあるクリエイター33名が参加し、試行錯誤を経て生み出した未公開作品や、これまで秘蔵されていた貴重な作品を展示・販売。オンラインからも購入が可能だ。本プロジェクトから、アートやデザインを愛する人々の間で、世代や業界を超えた新たな結びつきが生まれるよう、刺激的な対話や交流の場を目指すとともに、能登半島地震の復興支援のために売上(実費を除く)が寄付される。
Osaka Art and Design 2024のキーヴィジュアルには、本イベントのアートディレクションおよびデザインを担ったグラフィックデザイナー・芝野健太によるイメージが起用されている。会場で起こる人と作品、人と人、作品と作品との出会いによる交流や共鳴、つながり——そうしたうごめきを、無数の円の連関によって表現したこの線画のように、複数のエリアで同時に行われるプログラムの面的な拡がりを感じながら、クリエイティブに触れる機会を楽しんでほしい。
会期:2024年5月29日(水)~6月25日(火)
入場料:無料
場所:梅田、堂島、中之島、天満、京町堀、南船場、心斎橋、なんば他大阪市内のオープンスペース、ギャラリー、ショップ、百貨店、商業施設
参加ギャラリー・ショップ:国内外から集まるクリエイター(アーティスト、デザイナー)、ブランド、ギャラリー、ショップ、その他施設・企業など(55箇所)
※詳細は公式サイトのプログラムを参照主催:大阪アート&デザイン 2024実行委員会(大阪ターミナルビル株式会社、株式会社大丸松坂屋百貨店、株式会社髙島屋 大阪店、株式会社阪急阪神百貨店、南海電気鉄道株式会社、阪急電鉄株式会社(業務代行:阪急阪神不動産株式会社)、一般社団法人梅田1丁目エリアマネジメント
総合プロデューサー:青木昭夫(DESIGNART)