
今里のギャラリー・JITSUZAISEIにて、Koichiro Kojimaの個展「Experimentalism」が開催される。
Kojimaは1986年1月大阪生まれ。
舞台俳優活動、自主映画製作などを経て2012年、ワークショップ夜の写真学校を卒業。その後は大阪を拠点に制作を続けている。
写真を主な媒体として使用し、アナログ、デジタルを問わず作品シリーズごとに異なる実験的な手法を用いた作品が特徴。
同ギャラリーでの個展は、2024年8〜9月に開催された「放たれたノイズは蜃気楼に侵入するか?」に続き2回目となる。
前回の展示では、「スライドしていくリアリティの在り方」というコンセプトで作品を展開していましたが、今回は自分が現在において「写真をどのように捉えているか」ということに主眼を置いて実験を繰り広げるような展示にしようと思っています。
時間が経つごとに変化する作品だったり、今まで出さなかった映像作品や、画像データから音を生成した作品など一見写真には見えないような構成になるでしょう。写真という言葉を使っていますが、自分は意図的に作品を一言で写真とは言えないように、
何であるのかを言い表せられないように作っています。
なぜならまず自分にとって「写真」とはハッキリした輪郭を持つ、自明のものでは無いと考えているからです。また、多くの人が指摘するように真を写すと書く「写真」という言葉は今の実情とはかけ離れたものになっています。
それよりも前の言葉である「光画」のほうがまだ現状には近いかもしれません。
さらに端的に「画像」あるいは「画」もとってしまって「像=イメージ」のほうがフィット感があるかもしれません。
ですが、私が感じるのはどの言葉を使用しても結局何か居心地が悪く収まらない感じがするということです。むしろ確定された時にはリアリティやアクチュアリティを失ってしまうものではないかとも思います。
写真はネット上を漂うようになり、そこではコピー、変形、フェイク、シェア、切断と再接続などが行われるまさにカオス的様態を示しています。
また、以前保持していた例えば「証拠性」のような機能を失いつつあるでしょう。
アウトプットも多様化しており、プリント的な平面から3Dなどの立体的なものまで様々です。私は現在「それ自体も変化する流動的なメディウム」として写真を捉えていると一旦は言えるかと思います。
そのような「写真」について、そして「写真」が現在において表現するリアリティについて、その一端を感じていただければ幸いです。
Koichiro Kojima 実験企画「Experimentalism」
会期:2025年2月20日(木)〜3月2日(日)
会場:JITSUZAISEI
時間:14:00~19:00 ※2月20日(木)〜22日(土)のみ15:30〜18:30
休廊:火・水曜
パフォーマンス「Left Behind Body」
日時:2月24日(日)17:30頃〜
出演:菊池航(振付/演出家・ダンサー)
料金:入場無料
※パフォーマンス後はゆるやかな交流会実施写真は誕生してからこれまで常にテクノロジーと共に進化してきた。
生成AIまでを扱うようになった昨今、進化が加速するテクノロジーに対して「この取り残されるであろう身体はどうなるのか?」という問いが頭の片隅に居座るようになった。
明確な答えなどあるはずもないが、振付/演出家・ダンサーの菊池航氏をゲストに迎えて「残される身体」をテーマにコラボレーションする機会に恵まれた。
Kojimaのフリッカー現象を元にした映像に対して菊池の身体はどのようにそこに在りうるのか?是非ご高覧ください。菊池航 振付/演出家・ダンサー
2008年よりカンパニー『淡水』を立ち上げ振付演出を開始。「意味は無いが無駄は無い」と評されるパフォーミングアーツ作品を、空間・環境場所とともに制作、発表する。
多層的なイメージの扱い方と身体/場/見る人/音/光/道具/言葉/等とのオルタナティブな付き合い方を模索中。
2020年より大阪桃谷でオルタナキッチンOoozeを共同経営、スパイスカレーとイベント企画。
2024年5月大阪にてパフォーミングアーツフェス「ダンスアフターダンス」主催。
大阪市東成区大今里4-14-18