
枚方市立御殿山生涯学習美術センターは、1929年から1944年まで美術教育を行っていた大阪美術学校の跡地に建設された、市民のためのアトリエだ。
同センターの企画展シリーズ「アトリエ美術館」の第29弾として、「副産物産店の御殿山大阪美術学校 〜終末の教室〜」が、2026年1月4日(日)~2月23日(月・祝)に開催される。
「副産物産店」は、”店”を表現媒体とする2人の美術家、矢津吉隆(kumagusuku)と山田毅(只本屋)によって2017年に結成されたアートユニット/アートプロジェクト。アーティストのアトリエから出る廃材を“副産物”と呼び、それらを活用・流通させるなかで、物の価値や意味を問い直す活動を展開している。
本企画では、招聘アーティストである副産物産店が、展覧会に先立ち「終末の教室」と名付けた特別授業を開講。普段はセンターの産業廃棄物の保管場所として使用されている地下室を「教室」に仕立て、全6回の授業プログラムを実施している。各授業では、図工・教育・総合といった科目を設定し、参加者とともにさまざまな角度から「終末」や「循環」という概念と向き合っている。
この授業における制作と対話の時間を経て開催される本展は、センター内の複数の場所を使い展示。
ロビーフロアでは、かつてのゴミをインスタレーションとして再構築し、他者と出会い直す新たな場へと変容する。
一方、地下のゴミ捨て場では、授業で行ってきた試みの記録や資料をアーカイブ展示。
加えて、京阪電車御殿山駅と同センターの間のエリアに点在する店舗等でも作品展示が展開される。
招聘アーティスト プロフィール
副産物産店
2017年に矢津吉隆(kumagusuku)と山田毅(只本屋)の2人の”店”を表現媒体とする美術家によって結成されたアートユニットでありアートプロジェクト。アーティストのアトリエから出る廃材を“副産物”と呼び、それらを活用・流通させるなかで、物の価値や意味を問い直す活動を展開。展覧会やイベント出店、ワークショップのほかに、大学や行政、企業と連携した資材循環の仕組みづくりを行なっている。
主な展覧会に「アブソリュート・チェアーズ 現代美術のなかの椅子なるもの」埼玉県立近代美術館・愛知県美術館(2024)、ATAMI ART GRANT2024(2024)、MIND TRAIL2023(2023)やんばるアートフェスティバル2019-2020(2019)など。京都を拠点に活動。矢津 吉隆(やづ よしたか)
美術家、kumagusuku 代表
1980年 大阪生まれ。京都市立芸術大学美術科彫刻専攻卒業。
京都芸術大学美術工芸学科専任講師。ウルトラファクトリープロジェクトアーティスト。京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員。京都を拠点に美術家として活動。また、作家活動と並行して宿泊型アートスペースkumagusukuのプロジェクトを開始し、瀬戸内国際芸術祭2013醤の郷+坂手港プロジェクトに参加。主な展覧会に「青森EARTH 2016 根と路」青森県立美術館(2016)、個展「umbra」Takuro Someya Contemporary Art (2011)など。自治体や大学、企業などと連携してアート関連の企画やディレクション、仕組みづくりなどを行っている。
山田 毅(やまだ つよし)
美術家、只本屋 代表
1981年 東京生まれ。2025年 京都市立芸術大学大学院博士後期課程修了。
京都市立芸術大学、京都芸術大学、京都精華大学非常勤講師。ウルトラファクトリープロジェクトアーティスト。京都市立芸術大学芸術資源研究センター客員研究員。映像表現から始まり、舞台やインスタレーションといった空間表現に移行し、ナラテイブ(物語)を空間言語化する方法を模索、脚本演出舞台制作などを通して研究・制作を行う。2015年より京都市東山区にてフリーペーパーの専門店「只本屋」を立ち上げ、京都市の伏見エリアや島根県浜田市などで活動を広げる。2017年に矢津吉隆とともに副産物産店のプロジェクトを開始。2019年春より京都市内の市営住宅にて「市営住宅第32棟美術室」を開設。現在、作品制作の傍ら様々な場作りに関わる。
アトリエ美術館vol.29
「副産物産店の御殿山大阪美術学校 〜終末の教室〜」会期:2026年1月4日(日)~2月23日(月・祝)
会場:御殿山生涯学習美術センター 1階ギャラリースペース
時間:月~土曜 9:00~21:00、日曜・祝日 9:00~17:00
休館:1月26日(月)
料金:入場無料
関連イベント
特別授業「終末の教室」(レクチャー&ワークショップ)
(5) 社会のじかん「終末世界概論」
日時:2026年1月24日(土)13:00~15:00
定員:先着10人 (中学生以上)
※要申込。2026年1月5日10:00 受付開始(6)文化のじかん「御殿山大阪美術学校〜終末の文化祭〜」
日時:2026年2月15日(日)13:00~15:00
※定員なし、申込不要※特別授業(1)〜(4)は既に実施済み
アーティスト・トーク
副産物産店による作品解説。
日時:2026年2月23日(月・祝)14:00〜15:30
聞き手:遠藤水城(キュレーター、御殿山生涯学習美術センター 美術アドバイザー)
料金:入場無料
※事前申込不要主催:御殿山生涯学習美術センター、指定管理枚方まなびつながりプロジェクト
協力:御殿山渚商店会ほか
枚方市御殿山町10-16



