
障がいのある人の優れた作品を、現在活躍している美術作家の作品とともに包括的に紹介する展覧会「Exploring III – かかわりから生まれる芸術のかけら -」が、2026年1月15日(木)から25日(日)まで、Osaka Metro 本町ビルにて開催される。
本展は、大阪府が主催する「Art to Live」プロジェクトの一環。「Art to Live」は2024年6月にスタート、障がいのある人の作品を現代美術として紹介し、その社会的認知を広げていくためのプログラムを、東京、京都、大阪で実施してきた。プロジェクトの企画運営は、「ART OSAKA」などを主催する一般社団法人日本現代美術振興協会と、2015年から大阪府内の障がいのあるアーティストの作品を現代美術のマーケットに紹介するプロジェクト「カペイシャス」を推進しているオフィス・エヌが担う。
今回は、2025年1月に東京で開催した展覧会「Exploring Ⅱ – 日常に息づく芸術のかけら – 」をもとに、そこで紹介しきれなかった表現を加え、9名の作家の作品から人が表現をし続ける根源を探求する。
展覧会タイトル「かかわりから生まれる芸術のかけら」には、学校での経験や家庭での生活、身近にあっ た動植物や素材、人との関係性を反映しながら形成された表現のユニークさこそ、言葉を超えて大切にしたい感覚があるのではないか、との仮説が込められている。
キュレーター ステイトメント
高度情報化社会が進む現代、私たちはパソコンやスマートフォンの中に存在するAIを相手に物事を進める機会が増えました。しかし、人間は本来、周囲との関わりの中で経験を重ね、感覚や知恵を育み、生きる力を身につけてきました。言語によるコミュニケーションが難しくとも、造形的な表現を通じて自己を発露し、言葉では表しにくい事物を伝え、感覚を提示する人々がいます。何かに制限があるからこそ予想もしない発展を遂げ、没頭しつづけてきた時間が裏付けとなっ て、作者たちは唯一無二の表現を結晶させます。 そうして生まれた表現や作品は、しばしば日々の営みと深く結びついており、家庭環境や学校生活の経験、身近な動植物や素材、あるいは人との関わり―それらが表現の背景に静かに息づいています。かたちに留まりにくい表現は、他者に受けとめられることで初めて世に知られることも多く、その過程自体にも関わりを強く感じるでしょう。
本展では、「学びのかたち」「記しと気づき」「感じるものたち」という3つのキーワードを手がかりに、学びの基礎から生まれた唯一無二の造形群、かたちが留まりにくい表現の記録、そして感性に導かれ描かれた作品群を紹介いたします。 作品と静かに向き合い、その背景に思いを馳せ、想像力を巡らせること―それは、鑑賞者自身の中に眠っていた記憶や感覚を呼び覚まし、世界を新たな角度から見つめ直す契機となるでしょ う。
宮本典子(カペイシャス・一般社団法人 日本現代美術振興協会)
※出展作家のプロフィールや作品の特徴は、公式Webサイトに詳しく記載されている
Art to Live 展覧会「Exploring Ⅲ – かかわりから生まれる芸術のかけら -」
出展作家(50音順):大江正彦、かつのぶ、勝山直斗、齊藤彩、高田マル、中根恭子、平田安弘、松本国三、森本絵利会期:2026年1月15日(木)~ 25日(日)
会場:Osaka Metro 本町ビル 1階
時間:10:00 ~19:00
※初日は13:00から、最終日は16:00まで/1月24日(土)はイベント実施のため11:00から料金:入場無料
主催:大阪府「2025 大阪・関西万博に向けた障がいのあるアーティストによる現代アート発信事業」
実施主体:一般社団法人日本現代美術振興協会、カペイシャス(オフィス・エヌ)
大阪市中央区本町3-6-4)












