
大阪・北加賀屋に2026年4月にオープンした複合スペース「B.O.H.(Behind Objects & Humans)」にて、2026年10月23日(金)から11月3日(火・祝)まで、展示&トーク「Matter and Material Made」が開催される。
Matter and Material Made
物質から素材へ。
物質が持っている既存の意味を、デザインを通して解釈することで、
物質は別の価値を持つ「素材」として立ち上がっていきます。
素材は、はじめから素材として存在しているわけではありません。
何を物質として捉えるのか。
そこにどのような可能性を見出すのか。
どのような技術や視点を加えるのか。
その一つひとつの判断によって、
物質の持つ意味は変わり、新たな使われ方や価値が生まれていきます。本展では、異なる物質と向き合う6つのプロジェクトを紹介します。
それぞれのプロダクトの背後には、物質をどのように捉え、どのような価値へとつなげるのかという、異なる思考があります。
物質そのものを見るだけではなく、
それがどのように解釈され、
どのような意味を持つ「素材」へと変わっていったのか。
その過程にある、デザインの介在に目を向けてみてください。展示は3つの要素で構成しています。1. Project Infoでは、各デザイナーの紹介と、物質に向き合うそれぞれの視点。2. Matterでは、各プロジェクトが着目した物質。3. Productでは、デザインや技術の介在によって、物質から生まれたプロダクトを取り上げます。
–
参加デザイナーとプロダクト
Shotaro Oshima
Product|Faux Finish MaterialFaux Finish Material (FFM) は絵画的な手法によって生み出される擬似仕上げ素材です。1919年、ヴァルター・グロピウスはバウハウス宣言において「すべての造形活動の最終目標は建築である」と述べ、芸術と手工業を建築へ統合することを目指しました。しかし、それから 100年余りが経った現代、建築空間は規格化された工業製品によって均質化され、人の手による創造性や素材の存在感が失われつつあります。FFMは、絵画と手工業を現代の建築に再び取り入れる試みです。素材に直接表情を与えることで、空間の物質性を呼び起こし、AI時代における人間ならではの創造性の復興を目指します。
Sae Honda
Product|Anthro-pophyta天然の植物のように植物学的な分類や生態の観察を受けることもなく、私たちの日常の片隅で静かにみ続ける「造花」。背景として見過ごされがちなこの人工の植物へ改めて視線を落としてみると、そこには工業製品という枠組みを超えた、驚くほど豊かな個性が宿っていることに気づかされます。オフセット印刷の微かな版ズレやインクのにじみ、成形時に残されたプラスチックのバリ―均一であることを求められる大量生産のプロセスにおいて、発的に零れ落ちた人や機械の痕跡こそが、それらひとつひとつに固有の「表情」を与えています。本作において、造花は単なる「本物の代用品」ではなく、工業的なテクスチャーと構造を持ったひとつの自立した素材として扱われます。プラスチックの弾性や熱可塑性といった素材固有のふるまいに焦点を当て、天然の蔓や枝を編むようにして、造花そのものを用いた花籠を編み上げました。
Nao Iwamatsu
Product|KAMIKA BINKAMIKA BIN は、自動車用部品として製造される特殊機能紙(ガスケット紙)を生産する際にどうしても出てしまう廃材を回収し、再び紙にした再生紙でできたゴミ箱です。紙をえんとつ型にまくことで完成する底のない筒を二つ重ねることで袋を固定することができます。革のような柔らかさがあるので、家具の隙間に差し込んだり、複数個を結んで形を変えたりすることが可能です。
Kodai Iwamoto
Product|sea foam本プロダクトは、単に環境問題に起因するアップサイクルを目的とせず、プラスチックを “石油由来の自然素材”と再解釈することで素材の特性を活かした新たな表現手法を探る実験から生まれました。海岸で拾い集めた発泡スチロールの欠片を溶剤で溶かし、型に流し込み成形したものを沸騰したお湯にくぐらせると
ゆっくり膨張し自然とバスケットの形に変化します。どのバスケットも一つと同じものはなく、まるで波と波とがぶつかって生まれる泡のように見えることから seafoam(波の泡)と名付けました。Carpenter & Stone
Product|stp_1.001.cs planter破棄されるはずだった陶器のお皿やプランター、コーヒーガラ、さまざまな有機物を粘土づくりの過程で混ぜ込みリサイクルされた材料を用いて焼き上げる「再生陶器」。釉薬の調合から焼成まで、150年以上の歴史を誇る信楽の窯元「菱三陶園」五代目・小川公男氏が一つひとつ丁寧に手がけています。小川公男氏とstaple studio、そして東京とアラスカを拠点とするデザインスタジオCarpenter & Stone とのコラボレーションによって誕生したこのプランターは、取り外し可能な内鉢と二層構造を備え、室内でも使える設えとしました。ものをつくること、使うこと、そして素材を循環させること。そのつながりを、陶器の表情を通して問いかけます。
Adam
Product|Adam SheetAdam は、青森県産りんごの搾りかすを再利用してつくられた PVC素材です。日本を代表するりんごの産地である青森県津軽地方では、りんご加工品の製造過程で発生する搾りかすが大量に廃棄されてきました。Adam は、本来捨てられるはずだった搾りかすをまるごと材料として利活用し製品化、新しい付加価値を生み出しています。人工着色料を使わず、搾りかすに含まれる糖分を熱と反応させることで美しい琥珀色を引き出しています。皮や芯、ヘタ、種などあらゆる部位が作り出す模様のグラデーションも魅力の一つです。工業製品でありながら、同じものはひとつとしてない、津軽の自然が生んだ素材の個性をお楽しみください。
Exhibition
会期:2026年10月24日(土)〜11月3日(火・祝)※土・日曜、祝日のみ
会場:B.O.H.(Behind Objects & Humans)
時間:13:00〜18:00
料金:入場無料Talk Event
日時:2026年10月23日(金)18:30〜20:00 ※トークイベントのみ
会場:B.O.H.(Behind Objects & Humans)
ゲスト:Shotaro Oshima / Nao Iwamatsu / Carpenter & Stone / Sae Honda / Kodai Iwamoto
料金:参加無料
定員:先着30名Food & Gathering
軽食を囲んだ交流の時間。食事には、滋賀県で生まれた再生陶器「SSAN」の器を使用。信楽の土や文化に根ざした器とともに軽食を楽しみながら、展示や素材について語り合うひととき。
日時:2026年10月23日(金)20:00〜21:30
参加費:2,000円(事前決済制)
定員:先着15名(希望者のみ)※関連イベントの予約はstaple studioのInstagramリンクより
B.O.H.(Behind Objects & Humans)
大阪市住之江区北加賀屋5-4-19
Kagoo内


