映画監督・小田香の最新作『セノーテ』と、小田の過去作品を紹介する「小田香監督特集」が、九条のシネ・ヌーヴォにて上映される。
小田は、1987年大阪府生まれ。映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮する映画学校「film.factory」在籍中の2015年に制作した、ボスニアの炭鉱が主題の初長編作品『鉱 ARAGANE』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。また2020年には、ぴあフィルムフェスティバルが創設した、映画界の若くて新しい才能に対して贈られる「大島渚賞」の第1回受賞者に選ばれた。
長編ドキュメンタリー第2作目となる『セノーテ』の舞台はメキシコ。ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉は、マヤ文明の時代唯一の水源で、雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。この泉の近辺には現在もマヤにルーツを持つ人びとが生活している。
マヤの人たちによって伝えられてきた精霊の声やマヤ演劇のセリフテキスト、そして水中と地上を浮遊する映像から、現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐる人びとの過去と現在の記憶が紡がれていく。
注目の最新作の公開を記念し、同時に開催される特集上映では、タル・ベーラが激賞した幻のデビュー中編『ノイズが言うには』から、日本未公開の『あの優しさへ』まで、過去作・短編作9作品を一挙上映し、小田の10年の軌跡を振り返る。
小田香
1987年大阪府生まれ。フィルムメーカー。
2011年、ホリンズ大学(米国)教養学部映画コースを修了。卒業制作である中編作品『ノイズが言うには』が、なら国際映画祭2011 NARA-wave部門で観客賞を受賞。東京国際LGBT映画祭など国内外の映画祭で上映される。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factory(3年間の映画制作博士課程)に第1期生として招聘され、2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。2015年に完成されたボスニアの炭鉱を主題とした第1長編作品『鉱 ARAGANE』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2015・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。その後、リスボン国際ドキュメンタリー映画際やマル・デル・プラタ国際映画祭などで上映される。映画・映像を制作するプロセスの中で、「我々の人間性とはどういうもので、それがどこに向かっているのか」を探究する。また世界に羽ばたく新しい才能を育てるために2020年に設立された大島渚賞(審査員長:坂本龍一、審査員:黒沢清/荒木啓子[PFFディレクター]、主催:ぴあフィルムフェスティバル)では第1回の受賞者となった。
『セノーテ』(2019年/メキシコ・日本/75分)
期間:2020年10月31日(土)〜 *上映スケジュールはシネ・ヌーヴォのWebサイト参照
会場:シネ・ヌーヴォ
監督・撮影・編集・プロデューサー:小田香
企画:愛知芸術文化センター、シネ・ヴェンダバル、フィールドレイン
エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司
料金:一般1,800円、学生・シニア1,100円、会員1,000円
期間:2020年10月31日(土)〜11月13日(金)
*上映スケジュールはシネ・ヌーヴォのWebサイト参照
会場:シネ・ヌーヴォ
上映作品:『ノイズが言うには』(2010年)、『あの優しさへ』(2017年)、『鉱 ARAGANE』(2015年)、『ひらいてつぼんで』(2012年)、『呼応』(2014年)、『FLASH』(2015年)、『色彩論 序章』(2017年)、『風の教会』(2018年)、『Night Cruise』(2019年)
料金:一般1,500円、学生・シニア1,100円、会員1,000円
関連イベント
『セノーテ』トークショーor舞台挨拶
10月31日(土)18:20の回上映後 出演:小田香
11月1日(日)16:40の回上映後 出演:小田香
11月7日(土)20:35の回上映後 出演:小田香、長崎隼人(『セノーテ』整音)
11月8日(日)18:00の回上映後 出演:小田香「小田香監督特集」トークショー
10月31日(土)15:50『ノイズが言うには』『あの優しさへ』上映後 出演:小田香、秦岳志(編集者)、戸田ひかる(『愛と法』監督)
11月7日(土)18:30『ノイズが言うには』『あの優しさへ』上映後 出演:小田香(ゲスト調整中)
大阪市西区九条1-20-24