「芸術文化を、大阪から考える」といった際に、まずは大阪、ひいては都市について改めて考えたいと思いました。これはコロナ禍で、わたしたちの暮らしを成り立たせている社会の仕組みや経済について再考するときが来ていると実感したからです。プラネタリー・アーバニゼーション(地球の都市化)という言葉もありますが、わたしたちはロジスティクスというスムーズな流れによって、常に有形無形の商品を消費し続けることで、あるいはリモートを加速させるコミュニケーション技術によって、物理的な出会いがもたらす関係性や、使ったり食べたりしているものの連関への想像力が奪われているようにも思えます。その異様とも言えるスムーズさのなかに、どのように亀裂やひっかかりを見つけ出していくのか。そこから、文化や芸術が醸造されるのだと思います。  今回の特集では、猪瀬浩平さんとの対談では、私たちの生き方や、コロナ禍において顕在化した感染させる/させないの二元論に回収される違和感と、リモートによるコミュニケーションによってこぼれ落ちる「巷」的なひっかかりについての大切な視座と経験を、有家俊之さんにはロジスティクスと反対側にあるものの調達とその楽しみとおいしさを教えていただきました。また、北川眞也さんとの対談で都市のパースペクティブとそのなかで行われている実践をお聞きしながら、いかに私たちは行動できるのかというヒントを与えていただき、合わせて、櫻田和也さんとともに大阪という都市を成り立たせている住之江の物流拠点、港湾地帯をフィールドワークすることで改めて私たちの暮らす都市を実感することができました。一見、つながらないようなこれらの経験や知見は、どこでもすぐにつながれる現在において、私たちに物事を編み直す想像力を与えてくれます。今回、対談やフィールドワークをともにした4者は、みなアーティストだと思います。 家成俊勝 Toshikatsu Ienari ー 建築家。1974年兵庫県生まれ。2004年、赤代武志とdot architectsを共同設立。京都芸術大学教授。アート、オルタナティブメディア、建築、地域研究、NPOなどが集まるコーポ北加賀屋を拠点に活動。
Event
2020.10.26
#シネ・ヌーヴォ#MOVIE#SCREENING#大阪市#九条

大阪出身の映画監督・小田香の最新作『セノーテ』と、
小田の10年にわたるフィルモグラフィーを振り返る「小田香監督特集」、
シネ・ヌーヴォにて同時上映。

映画監督・小田香の最新作『セノーテ』と、小田の過去作品を紹介する「小田香監督特集」が、九条のシネ・ヌーヴォにて上映される。

小田は、1987年大阪府生まれ。映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮する映画学校「film.factory」在籍中の2015年に制作した、ボスニアの炭鉱が主題の初長編作品『鉱 ARAGANE』が、山形国際ドキュメンタリー映画祭2015・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。また2020年には、ぴあフィルムフェスティバルが創設した、映画界の若くて新しい才能に対して贈られる「大島渚賞」の第1回受賞者に選ばれた。

長編ドキュメンタリー第2作目となる『セノーテ』の舞台はメキシコ。ユカタン半島北部に点在する、セノーテと呼ばれる洞窟内の泉は、マヤ文明の時代唯一の水源で、雨乞いの儀式のために生け贄が捧げられた場所でもあった。この泉の近辺には現在もマヤにルーツを持つ人びとが生活している。
マヤの人たちによって伝えられてきた精霊の声やマヤ演劇のセリフテキスト、そして水中と地上を浮遊する映像から、現世と黄泉の世界を結ぶと信じられていたセノーテをめぐる人びとの過去と現在の記憶が紡がれていく。

大阪出身の映画監督・小田香の最新作『セノーテ』と、小田の10年にわたるフィルモグラフィーを振り返る「小田香監督特集」、シネ・ヌーヴォにて同時上映。
『セノーテ』

注目の最新作の公開を記念し、同時に開催される特集上映では、タル・ベーラが激賞した幻のデビュー中編『ノイズが言うには』から、日本未公開の『あの優しさへ』まで、過去作・短編作9作品を一挙上映し、小田の10年の軌跡を振り返る。

小田香

1987年大阪府生まれ。フィルムメーカー。
2011年、ホリンズ大学(米国)教養学部映画コースを修了。卒業制作である中編作品『ノイズが言うには』が、なら国際映画祭2011 NARA-wave部門で観客賞を受賞。東京国際LGBT映画祭など国内外の映画祭で上映される。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factory(3年間の映画制作博士課程)に第1期生として招聘され、2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。2015年に完成されたボスニアの炭鉱を主題とした第1長編作品『鉱 ARAGANE』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2015・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。その後、リスボン国際ドキュメンタリー映画際やマル・デル・プラタ国際映画祭などで上映される。映画・映像を制作するプロセスの中で、「我々の人間性とはどういうもので、それがどこに向かっているのか」を探究する。

また世界に羽ばたく新しい才能を育てるために2020年に設立された大島渚賞(審査員長:坂本龍一、審査員:黒沢清/荒木啓子[PFFディレクター]、主催:ぴあフィルムフェスティバル)では第1回の受賞者となった。

『セノーテ』(2019年/メキシコ・日本/75分)

期間:2020年10月31日(土)〜 *上映スケジュールはシネ・ヌーヴォのWebサイト参照
会場:シネ・ヌーヴォ
監督・撮影・編集・プロデューサー:小田香
企画:愛知芸術文化センター、シネ・ヴェンダバル、フィールドレイン
エグゼクティブ・プロデューサー:越後谷卓司
料金:一般1,800円、学生・シニア1,100円、会員1,000円

 

『セノーテ』公開記念「小田香監督特集」

期間:2020年10月31日(土)〜11月13日(金)
*上映スケジュールはシネ・ヌーヴォのWebサイト参照
会場:シネ・ヌーヴォ
上映作品:『ノイズが言うには』(2010年)、『あの優しさへ』(2017年)、『鉱 ARAGANE』(2015年)、『ひらいてつぼんで』(2012年)、『呼応』(2014年)、『FLASH』(2015年)、『色彩論 序章』(2017年)、『風の教会』(2018年)、『Night Cruise』(2019年)
料金:一般1,500円、学生・シニア1,100円、会員1,000円

 

関連イベント

『セノーテ』トークショーor舞台挨拶
10月31日(土)18:20の回上映後 出演:小田香
11月1日(日)16:40の回上映後 出演:小田香
11月7日(土)20:35の回上映後 出演:小田香、長崎隼人(『セノーテ』整音)
11月8日(日)18:00の回上映後 出演:小田香

「小田香監督特集」トークショー
10月31日(土)15:50『ノイズが言うには』『あの優しさへ』上映後 出演:小田香、秦岳志(編集者)、戸田ひかる(『愛と法』監督)
11月7日(土)18:30『ノイズが言うには』『あの優しさへ』上映後 出演:小田香(ゲスト調整中)

シネ・ヌーヴォ

大阪市西区九条1-20-24

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