2020年7月に逝去した映画監督・森﨑東の一周忌追悼を記念した特集上映「森﨑東 “たった一人の反乱的美学”」が、2021年7月24日(土)から9月3日(金)にかけ、シネ・ヌーヴォで開催される。
森﨑は『喜劇 女は男のふるさとヨ』をはじめとする1970年代の「喜劇・女」シリーズで、学生運動衰退時の若者からの支持を獲得。笑いのなかに社会の端で生きる人々の悲しみと怒りを描いた。その後も、山田洋次監督の人気シリーズ「男はつらいよ」「釣りバカ日誌」で監督を担うほか、原発や沖縄、外国人労働者などの社会問題をテーマに盛り込んだ『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』など、多彩な映画作品を生み出してきた。
本特集では、森﨑が手がけた全25作とテレビ作品2本を一挙に上映。「喜劇・女」シリーズの4作や、髭面と便所を出す癖から所属していた松竹の当時会長・城戸四郎に契約を打ち切られ、東映で撮影したフリー第1作『喜劇 特出しヒモ天国』。また、芸術性の高い映画作品を製作・配給した日本アート・シアター・ギルドで撮った、映画監督を志す若者たちの群像を描く『黒木太郎の愛と冒険』、1980年代以降の松竹復帰作『時代屋の女房』『夢見通りの人々』のほか、自身も患った認知症をテーマとした遺作『ペコロスの母に会いに行く』などからは、映画監督としての足跡も垣間見ることができる。
1969年のデビュー作『喜劇 女は度胸』には、高度成長期のネオン輝く街並みや、羽田空港近くの質素な長屋から見える、飛び立つ巨大な飛行機が映る。本作は、女好きで喧嘩っ早い兄と純情な弟の、恋人を巡る勘違いが巻き起こすドタバタ劇だが、変化を遂げようとする時代のなかで生きた人々のバイタリティを表すあたたかな物語でもある。作品が内包する空気感とともに、森崎の社会への視座を感じ取りたい。
期間:2021年7月24日(土)〜9月3日(金)
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:
前売 1回券1,100円、5回券4,500円
当日 一般1,500円、学生・シニア1,100円、会員・高校生以下1,000円、5回券5,500円、シニア5回券5,000円、会員5回券4,000円問合:06-6582-1416
※上映スケジュールなど詳細はシネ・ヌーヴォWebサイトを参照
※前売券は劇場窓口のみの販売
※鑑賞3日前から窓口およびオンラインでチケットを購入可能(鑑賞当日、オンライン予約の方は専用窓口で発券、当日券の方は窓口で指定席を選択の上、開始10〜15分前から入場可)
※全席指定(満席の場合は入場不可)
関連イベント
トークショー
日時:2021年7月31日(土)13:20『黒木太郎の愛と冒険』上映後
ゲスト:伊藤智生(『黒木太郎の愛と冒険』出演)、上野昂志(映画評論家・批評家)日時:2021年8月1日(日)13:20『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』上映後
ゲスト:上野昂志(映画評論家・批評家)日時:2021年8月28日(土)13:45『ニワトリはハダシだ』上映後
ゲスト:志摩敏樹(「シマフィルム」代表・『ニワトリはハダシだ』製作総指揮)
大阪市西区九条1-20-24