2021年に刊行された『東京の生活史』(筑摩書房)は、社会学者・作家の岸政彦がプロジェクトを立ち上げ、一般から公募した150人の聞き手が150人の「東京の人生」の語りを聞き書きしてまとめたインタビュー集。第76回毎日出版文化賞、紀伊國屋じんぶん大賞2022をダブル受賞するなど、大きな反響を呼んだ。
その姉妹版として、「大阪出身のひと」「大阪在住のひと」「大阪にやってきたひと」といった150人の「大阪の人生」にまつわる語りを、公募で集まった150人の聞き手が聞き書きをした『大阪の生活史』が、このたび刊行された。プロジェクト開始時、岸政彦は「大阪人がおもしろいとか、よく喋るとか、そういうことはすべてフィクションで、当たり前の話ですが、大阪でも話下手なひとや、内気なひとはたくさんいます。いろいろなひとがいるのです。/それでも、長年にわたって大阪で暮らしていると、『ああこれは大阪の話だなあ』と思う語りに出会うことがあります。/そんな語りを集める本ができます。」と呼びかけ、そのような「大阪の話」が1280ページ、150万字の大著として結実した。
本書は圧倒的なボリュームのなかに、大阪の市井に生きる人々の率直な声が響き合っている。あなたの隣にいるかもしれない「大阪の人」の、生の声を聞き取れるかけがえのない一冊だ。
岸政彦・編『大阪の生活史』(筑摩書房)
発売日:2023年12月1日
仕様:A5上製 / 1280頁 2段組み
定価:4,950円(10%税込)
ISBN: 978-4-480-81690-0
ブックデザイン:鈴木成一デザイン室