2010年7月、大阪は南堀江にオープンしたギャラリー「PULP」。特定の表現分野・文脈からも自由な発表の場として、これまでデザイナー、音楽家、特殊漫画家、芸人など国内外さまざまな作家の展示やイベントを企画してきた。
そのPULPが、コロナ禍の影響を受けて存続のための支援金をクラウドファンディングで募っている(5月30日締切)。早々に目標金額は達成しているが、大阪の緊急事態宣言が解除された(5月21日現在)とはいえ、先の見えない状況には変わりなく、多くの支援が必要となっている。
クラウドファンディングのリターンとして、PULPが関わってきたアーティスト、デザイナーによるアートワークを使用したTシャツやポスターなどのグッズも用意されている。2019年にPULPディレクションのもと、京都のホテル「BnA Alter Museum」にてアートルームの制作を行ったEYE(BOREDOMS)や、これまで個展/グループ展に参加してきたアーティスト・田巻裕一郎、NAZE、Simon Fowler、イラストレーター・白根ゆたんぽが参加。また、河村康輔と北山雅和は、今回のためにアートワークを初めて共同制作している。
2020年7月には10周年を迎えるPULP。今回の参加作家をみても、各々がPULPの歴史のなかで一度ならず二度三度と展示やイベントに参加しており、ギャラリーと作家の(もしくはそれにもとらわれない)共犯関係をしっかりと築いていると感じられる。PULPのような小さな場によって生まれる、人やものの関係性や、ものをつくること・ものを介してコミュニケーションをとることの可能性にこそ、いまさまざまなかたちの支援が必要だろう。
受付期間:2020年4月30日(木)〜5月30日(土)
アートワーク提供:河村康輔×北山雅和、白根ゆたんぽ、田巻裕一郎、EYE(BOREDOMS)、NAZE、Simon Fowler