家で過ごす時間が長くなった今日この頃。ふと部屋を見渡してみると、誰かの表現に心が解ける瞬間があります。さて、みなさんはどんなものに囲まれて日々を過ごしているでしょうか? 今回は2020年8月28日(金)〜30日(日)、大阪・南堀江のTEZUKAYAMA GALLERYで開催されるアートフェア「DELTA Experiment」に出展するギャラリストに聞いてみました。
岡田さん、コレクションについて聞かせてください!
新平さんの作品をはじめて見たのは、 2011年の京都市立芸術大学の制作展。その後も毎年制作展に行っては足を止めるのが彼の作品だったのは、今思うとなかなか凄いことだな思います。2015年に東京で開催されたアートフェアをきっかけにお仕事を一緒にするようになりましたが、新平さんは僕にギャラリストとしての自信を与えてくれたアーティストでもあります。今では、アートフェアに出展したら即完売する人気作家さんですが、プライベートでも尊敬できる大事な友人です。
この作品は、反射、透過、屈折といったガラス面に生じる光学現象の原理を適用しながら複数のイメージを重ね合わせて構成したペインティング作品です。奥に描かれたイメージと鑑賞者を隔てるように引かれた蛍光色の窓枠(グリッド)は画面のなかに独特の奥行きや空間を感じさせる効果があります。インターネットを基盤としたコミニュケーションが加速するなか、複数の仮想的、実在的な時間、空間が交差する現代の生活で、対象との距離の取り方や捉え方の重要性、二元論では語れないことの多さを、鑑賞するたびに再認識させてくれるような作品だと思います。2016年にこの作品を購入して以来、自宅に飾り毎日目にしていますが、自分の考え方やモノの見方をニュートラルな状態に戻してくれる指針のような作品で、とても気に入っています。作品を購入し、部屋に飾るということは、ゆっくりと時間を掛けて作品と生活が結びついていき、その人だけの贅沢な空間を生み出し、日常をほんの少し豊かにしてくれる行為だなと感じます。
岡田慎平
1988年大阪生まれ。TEZUKAYAMA GALLERYディレクター。2011年からFM802 / FM COCOLOのアートプロジェクト「digmeout」がプロデュースするアートギャラリー、DMOARTSの立ち上げから3年間勤務。2014年12月から現在のTEZUKAYAMA GALLERYに勤務。同ギャラリーでは展覧会の企画、国内外での作品の販売業務を中心に行う。DELTA Experientの主催をはじめ、個人での展覧会、イベントの企画も手掛ける。
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TEZUKAYAMA GALLERY https://tezukayama-g.com/
欧米、アジアの現代作家の作品を幅広く取り扱いながら、日本の若手作家の活動も積極的に紹介。ギャラリースペースでは、取り扱い作家による個展、グループ展を企画。また、国内だけでなく欧米等の海外アートフェアにも積極的に参加し、日本の優れた作品を発信。多彩な展示と関連イベントで大阪のアートシーンを活性化するべく活動。取扱作家はタムラサトル、小池一馬、加藤智大、後藤靖香、大江慶之、井田大介など。
Information:2020.8.28〜30 南堀江で開催されるアートフェア「DELTA experiment」に出展!
▼岡田さん一押しの作品はこちらTP200409
制作年:2020
素材:acrylic on canvas
サイズ:H318 × W410 mm
会期:2020年8月28日(金)〜30日(日)
会場:TEZUKAYAMA GALLERY時間:
8月28日(金)15:00〜19:00
8月29日(土)12:00〜19:00 (ギャラリートーク 18:00〜19:00)
8月30日(日)12:00〜18:00料金:入場無料
主催:DELTA Executive Committee(岡田 慎平、高橋 亮)
問合:Mail contact@delta-art.net Tel 06-6534-3993
出展ギャラリーのディレクター陣によるトークショー
日時: 8月29日(土)18:00〜19:00
(Instagram公式アカウントにて配信予定)