心斎橋のギャラリー・ソラリスにて、写真家・育緒の写真展「Lumen」が開催。
育緒は1968年京都生まれ。2007年に土門拳文化賞受賞。クラシックカメラの修復職人としても23年のキャリアを持ち多くのワークショップを開催している。
本展では、銀塩写真の銀をインクに置き換えていく「ブロムオイル印画法」という古典写真技法で制作した作品を展示。
lumen/ルーメンは、光源から放たれたすべての光を意味する言葉であり、私にとっては美の源泉そのものです。けれどある時、lumenという語は解剖学の世界でも使われ、「細胞組織の内部空間」を意味していることを知り、制作中だったこの作品のタイトルへと結び付けました。
今作はブロムオイル印画という、古典写真技法で制作しています。
ブロムオイル印画は、その製作過程において銀塩写真の銀をインクに置き換えていく作業があるのですが、そのためには感光させた銀による映像を故意に消失させ、印画紙の中に物理的な空洞を生じさせる必要があります。つまり光学のルーメンと解剖学のルーメンがリアルなトランスフォーム関係にあって、それが言葉の上でも偶然つながっていることが、非常に印象的だったのです。
外光を遮光し、4灯の光源と和紙の背景だけで撮影しました。枝や実に注ぐ光だけでなく、そこから跳ね返る光によって満たされる空間を強く意識しています。光が写真の中でなお巡り続けていくよう、その内部空間にインクという命を吹き込む作業は、光が居た場所を手探りする作業でもあり、美の源泉を確かめる豊かな時間でもありました。育緒
(ギャラリーWebサイトより)
会期:2021年11月30日(火)~12月12日(日)
会場:ギャラリー・ソラリス
時間:11:00~19:00 *12月4日(土)13:00~14:00はトークイベントのため入場不可
休廊:12月6日(月)
問合:06-6251-8108
関連イベント
育緒ギャラリートーク
日時:12月4日(土)13:00~14:00
参加費:無料
定員:10名 ※要予約 https://solaris-g.com/mailform/join_event.html
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F