歌人・岡野大嗣の第3歌集『音楽』（ナナロク社）発売を記念した展示「音楽」が、緑地公園のblackbird booksにて開催される。

岡野は1980年大阪生まれ。2011 年に短歌を始めた。2012年に、結成当日解散型不定形ユニット「何らかの歌詠みたち」を始動、2013年から田中ましろの企画・制作による「短歌男子」に参加するなど、ユニークな活動も行い、現代短歌を牽引する一人だ。2014年、連作『選択と削除』で第57回短歌研究新人賞次席。

第1歌集『サイレンと犀』（2014年）、第2歌集『たやすみなさい』（2019年）に続く今作のテーマは、岡野の創作に多大な影響を与えている「音楽」。本展ではその音楽を表現する。
メインの展示は歌集を紙面から壁面へと展開し、連作としての短歌の魅力を、新たなレイアウトや、木版への手描きなどで表現、空間で見て読んで聴く試みとなる。また岡野本人による朗読音声のダウンロード、岡野のコメント付き選書・選曲などの企画、歌集の装丁画を手がけた佐々木美穂の原画展示も展開。
会期は年末（A面）と年始（Ｂ面）の2期で構成し、展示内容を一部入れ替える。

歌集『音楽』は、近年詩と短歌の本に注力してきたナナロク社とタッグを組んで制作された。今回の展示も、細部まで岡野とナナロク社のこだわりが詰まったものとなる。