川田知志の個展「彼方からの手紙」が、2022年2月26日(土)よりアートコートギャラリーで開催される。
川田は、都市における空間と人、美術表現との関わりを、壁画を軸とする表現によって問い直しながら制作・発表を続けている。漆喰と顔料で描く伝統的なフレスコ画の技法に、現代の造形素材を融合。さらに、特定の壁・空間から描画を自立させたり、それによって生まれる時間の流れを作品に取り込んだりすることで、新たな表現の可能性を探る手法が特徴だ。
アートコートギャラリーでの個展は、2018年に続き2度目となる。今回は、作家自身の生きる時代を象徴する「郊外の景色」をモチーフに、壁画の移設技法を応用し、その描画層のみを引き剥がしてカンヴァス上に移し替えた新作群を発表。200号大の作品を中心に、展示空間と作品、身体の関係を見極めようと試みる。また、会期初日の2月26日(土)には、和歌山県立近代美術館学芸員・奥村一郎との対談も予定されている。
作家紹介
川田知志は近年の活動において、壁画の解体・移動・再構築を一連の表現として実践する展示や*1、描かれたイメージが建物の壁に覆い隠され数十年後に再発見されることを想定した作品*2、壁画の移設技法「ストラッポ」*3を応用して壁から剥離させた描画層を仮構の支持体にのせることで、壁画イメージの “保留状態” を作品化したインスタレーション*4などを展開しています。その作品は、場との関係を強く感じさせる初期の表現から、空間から自律した「壁画」が更新を遂げていく開かれた構造を手に入れると同時に、時の流れによって入れ替わる現在・過去・未来が複雑に交差するダイナミズムを孕んだ存在へと深化してきました。
1. 2017年 ALAアーティストインレジデンス「まちとsynergism」成果展(アートラボあいち長者町 [旧玉屋ビル]、名古屋)及び自主企画「サドンデス」(龍屋ビル3F、名古屋)
2. 2018年 アーティスト・イン・レジデンス(A4 Art Museum、成都、中国)
3. フレスコ画の描画層を膠などによって画面から引き剥がし、別の支持体へ移し替える技法。17世紀以降のイタリアを中心に、主に保存修復のために用いられた。
4. 2018年 個展「Open Room」(アートコートギャラリー、大阪)
川田知志個展「彼方からの手紙」
会期:2022年2月26日(土)〜
3月26日(土)4月13日(水)まで会期延長会場:アートコートギャラリー
時間:11:00〜18:00、土曜は17:00まで
休廊:日・月曜、祝日
問合:info@artcourtgallery.com/ 06-6354-5444
※作家在廊日などの関連情報はギャラリーWebサイト、facebook、Instagramにて随時案内予定
関連イベント
トーク
日時:2022年2月26日(土)14:00〜15:30
登壇:奥村一郎(和歌山県立近代美術館学芸員)、川田知志
※予約制(先着20名)info@artcourtgallery.com宛に要申し込み
※参加無料
大阪市北区天満橋1-8-5
OAPアートコート1F