2001年より大阪を拠点に活動を続ける劇団、エイチエムピー・シアターカンパニーの新作公演『堀川、波のつづみ』が、大阪・日本橋のin→dependent theatre 2ndにて上演される。
同劇団では2014年より、「現代日本演劇のルーツ」と題し、過去に日本で上演された名作戯曲を現代演劇として再構成・上演するシリーズを継続している。古典作品を「現代演劇の源」と位置づけ、当時の価値観や表現方法を研究し、古来の豊かな表現や伝統に触れながら日本の伝統的な概念を再考する機会を提供してきた。
10作目となる今回は、江戸時代に活躍した作家・近松門左衛門の三大姦通物『堀川波鼓(ほりかわなみのつづみ)』を取り上げる。古典では義太夫節の作品を常磐津(中棹の三味線と太夫による語り)による音楽劇として新たに創作した。
戯曲を書きおろしたのは「日本の劇」戯曲賞2015最優秀賞などを受賞している劇作家の西史夏。原作が書かれた時代の女性、そして男性の在り方や価値観、社会構造などを現代の視点から見つめなおし、現代演劇として再構築する。
今回初の試みとして、大阪を拠点に活躍する邦楽の担い手たちと共に創作・上演する点にも注目だ。現代演劇と古典芸能というジャンルの垣根を超えて、どのような演劇的な実験が繰り広げられるのか、劇場で目撃したい。
【あらすじ】
―あれは鼓の音かしら、それともどこかの波の音。―
宝永三年、鳥取藩因幡国。
下級武士小倉彦九郎の妻、お種は参勤交代で江戸詰めする夫の帰りを待ちながら、つつましく暮らしていた。
ひなの節句の夜…とある事件をきっかけに、養子に迎えた実弟文六の師匠である京の鼓師、宮地と不義の関係を結んでしまう。武家の妻の密通は、女も男も死罪。一夜の関係で子どもを宿したお種は、宮地に助けを求めるが、すでに京へ旅立っていた。
彦九郎の帰りが近づくなか、お種の運命は転落してゆく…。
エイチエムピー・シアターカンパニー 音楽劇『堀川、波のつづみ』
作:西史夏
演出:笠井友仁・髙安美帆
出演:髙安美帆、森田祐利栄、ナカメキョウコ、岸本昌也、高橋紘介、西村貴治、大熊ねこ、阪田愛子
常磐津:常磐津美佐希(浄瑠璃)、常磐津三都貴(三味線)日程:2022年3月12日(土)~13日(日)
会場:in→dependent theatre 2nd
時間:3月12日(土)13:30/18:30、3月13日(日)13:30
※受付は開演の40分前、開場は開演の30分前
※上演時間は約90分程度を予定
※すべての回でアフタートークを実施料金:
一般 前売3,500円/当日3,800円
25歳以下・障碍者 前売3,000円/当日3,300円(枚数限定)※要証明
高校生以下 前売500円/当日1,000円(枚数限定)※要証明
応援(寄付) 1口1,000円 ※寄付者特典あり問合:mail@hmp-theater.com 090-9696-4946(前田)
大阪市浪速区日本橋4-9-5