


2024年8月2日(土)・3日(日)の2日間、大阪・此花にて「第28回 梅香盆踊り大会」が開催された。地元のコーラスグループや地車囃子、踊りのチームに混じって、アートプロジェクト「水門(みなと)」に関わるアーティストの梅田哲也と、音楽家の米子匡司、サウンドエンジニアの吉田涼が、音響&選曲担当として名を連ねている。
水門は、此花・梅香で活動を行うPOS建築観察設計研究所・大川輝が2024年に立ち上げ、アートマネージャー・松田雅代、二日印刷(ふつか)・辰巳量平が参画。「大阪市此花区の梅香・四貫島周辺を拠点に、地域や国籍を超えた交流の中継点として不定期に活動する緩やかなネットワーク/アートプロジェクト」であり、「地域に密着した文化的活動を通じて、流動的な公共の生態系(エコシステム)の生成」を目指す活動体でもある。
初年度の出展作家・梅田哲也とともにプロジェクトの方向性を話していくなか、町内会にも所属する大川の案で、梅香盆踊り大会を最初の活動の場とすることとなった。




「アーティストと地域の人が関わって、どこまで(まちが)面白くなるか」
これまで大川は、まちの工務店的な役割も担いつつ、アーティストを此花へと呼び込む仕掛けをさまざまなかたちで行ってきた。2008〜2017年の10年間、年1回開催された「見っけ!このはな」もそのひとつ。梅香・四貫島エリアにあるさまざまなスペースが、期間中に展示・ライブ・ワークショップ・オープンアトリエ・まち歩きツアーなどなどを同時開催する、まちを上げた催しだ。加えて、そういったイベントを契機に此花へ移り住もうとするアーティストやつくり手と、地域をつなぐ仲介も行っている。
「もう100人くらいは移住してるんちゃうかな。此花は、多くのアーティストやクリエイターが暮らすまちになってきていて。いまその人たちがそれぞれの意思をもって地域の既存団体のなかで面白く動いたり、新たな活動をはじめたりしている。いい傾向です」と大川。




制作の松田雅代は、大川の言葉を引き継ぎながら「いろんな人たちが此花に移住している一方で、それぞれのライフステージも変わりつつあって、地域活性を促すアートプロジェクトのような取り組みに関われるタイミングとそうじゃないタイミングがある。継続していろんな人が移り住んだり、交流したりできる機会や場が必要だなと。あと、大阪のどのエリアでもそうですが、外国籍の人も同じまちに住んでいるけれど、まだ住人同士の関係性や文化的理解がない状態というのもある。そういったまちの課題に目を向けて、実際に関わりを見出す手段にもアートプロジェクトは有用なんじゃないかと思っています」と語った。




この2日間、多くの人たちがこの場所を訪れた。特に、ジャワガムランのグループ「マルガサリ」が楽器を一般開放していた砂場スペースは、それを鳴らしたい子どもたちによってほぼ占拠されており、盆踊りにかぶさるようにガムラン楽器の音が響き渡っていた。楽器をたたく子どもの父親らしき人が「これって触って大丈夫なんですか? 地元じゃ、高貴な楽器だから自分も触ったことないんですよね」とマルガサリのメンバーに話しかけている。インドネシアでは、伝統音楽に携わる人しか触れないのだという。「盆踊りに来て、ガムランに触れるとは思ってもみなかった」と嬉しそうだった。










「盆踊りは、地域と交わるきっかけですね。店舗に出てもらうとか、祭りに来てそれこそ海外ルーツの人たちに日本文化を知ってもらう良い機会」と、盆踊り大会中もあちこち動き回って汗だくの大川は語る。
「これまでもアートプロジェクトに携わりながら、地域のこういった行事にも関わってきた。ただ、ひとりでやるのも限界を感じていて。今回は音響を任せられるというのもあって、水門として参加した経緯がある。新しいことをやるって、どこの地域も大変だと思うんやけど、なんでここでできているかって言ったら、梅香がそういうのを落とそうとせえへん。上の代の人が『若い子がやってくれたらうれしいわ』と言ってくれて、まわりを動かしている。だから、僕もずっと自由に動けている。自由にできひんかったら面白くない。仕事以上にやってるから(笑)」


第28回 梅香盆踊り大会 【終了】
日時:2024年8月2日(金)、8月3日(土)各日18時~22時15分頃終了
会場:梅香東公園【出演者情報】
8月2日(金):踊りの和田師範と秀西会、プラムマザーズ、マルガサリ、and more
8月3日(土):踊りの和田師範と秀西会、住吉神社地車囃子会、マルガサリ、and more
両日司会:旭堂南歩、梅香連合振興町会 女性部主催:梅香地域活動協議会、梅香連合振興町会
音響:梅田哲也、吉田涼
技術協力:米子匡司
協力:水門、Fuke(近畿大学文化デザイン学科)、ほか
【出店ラインナップ】
1&2 梅香連合振興町会 有志
地域の情報の回覧板を取り扱ったり、街灯やAEDの設置のサポートをしてくれています。困ったときに相談ができる町の組織です。輪投げは町会のおなじみの企画で、⿊髭危機⼀髪は今年初めての出し物。
出店:輪投げ、⿊髭危機⼀髪3 ふれあい喫茶
梅香連合振興町会の女性部が毎月第三木曜日に梅香集会所でふれあい喫茶を開いてます。出店では毎年おいしいミックスジュースを出しています。
出店:ミックスジュース4 梅⾵会
梅香小学校のPTAのOBの皆さんです。今のPTAをサポートするOBチームです。
出店:フランクフルト5 天天菜館
梅香で人気の中華料理屋さんです。人気メニューを出す予定です。当日のお楽しみに。
出店:中華料理6 まぼや
木工作家でもあるオーナーが営む鉄板お好み居酒屋です。ねぎ焼きと本物の生ビールを出してくれます。
出店:ねぎ焼き、生ビール7 モリトラコーヒー <初参加>
四貫島商店街にあるPORTで不定期に営業している自家焙煎のコーヒー豆とスイーツの喫茶店です。
出店:コーヒー、コーヒー豆8 お好み焼き宮本
テイクアウトもできるお好み焼きやさん。夏はかき氷も販売していて子供たちにも人気のお店です。
出店:イカ焼き9 くすくす
四貫島住吉神社のそばで営業しているテイクアウト専門の焼き鳥屋さんです。
出店:焼き⿃10 韓国料理 ウォン
フレンドリーなママが切り盛りする韓国料理屋さん。
出店:チヂミ11 たこ焼き オリーブ <初参加>
今年の3月に梅香にオープンしたばかりのたこ焼き屋さん。オリーブオイルは使っていません。オリーブソルトも使っていませんが、塩味はあります。
出店:たこせん、たこ焼き、ジュース12 fromako
店名の由来はフロムアコウ(赤穂)でfromako(フロマコ)さんです。唐揚げの種類も豊富でお弁当も人気です。
出店:唐揚げ13 うおしん
中央卸売市場から直送の魚屋さん。魚とケーキが食べれてお酒も飲めます。
出店:ちかちゃんのスイーツと⿂14 地域活動支援センター 働楽&えにし
8/2のみ 働楽(どうらく)
障がい者の日中活動(働く場所)支援を目的に開所された障がい者福祉作業所です。
出店:ピンポン玉ゲーム
8/3のみ えにし
子ども支援のコミュニティカフェで、こども食堂や宿題カフェを運営しています。月に1度梅香コメディアワーも開催。
出店:お笑い縁⽇15 NPO法⼈はばたく <初参加>
障がいのある人のための就労継続支援、生活介護、共同生活援助、ケアホームを運営しています。
出店:射的16 此花住みます芸⼈ かわばたくん <初参加>
このはなチャンネルでカリントウの発見!此花区が放送中。ご家族で参加です。
出店:コイン落とし17 おでんCafe&Barぎゃみん-gyamin’-
このはな”めぐる”音楽祭、このはな”踊る”DISCO DAYを企画運営しているおでん屋さんです。
出店:スーパーボールすくい18 ふつか <初参加>
印刷会社で勤務しつつ、残りの週2日は「ふつか(二日印刷)」として活動中。シルクスクリーンでは絵柄をお好きな布に刷ることができます。
出店:シルクスクリーンのワークショップ19 sathibhai restaurant &bar / サティバイ レストラン&バー <初参加>
8/2のみ
千鳥橋駅前のてるてる横にできたインド・ネパール料理屋さんです。毎週水・土曜日はライブもやってます。
出店:モモ、チーズナン、ネパールビール