“ACG eyes”は、アートコートギャラリーが注目する若手作家を、気鋭の新作とともに紹介するシリーズ企画です。
佐々木類、新平誠洙、堀川すなおの3作家は、それぞれに一貫したコンセプトと手法によってモチーフに内在する時間や事象を“記録”し、多様な世界と人々との関係を日々探求しながら作品を制作しています。
本展では「Records」をテーマに、作品の内に蓄積されたユニークな“記録”にフォーカスを当て、身の回りにあるモチーフを知の系譜へとビジュアライズしてゆく彼らの表現の魅力をご紹介します。大阪では初発表となる佐々木類は、本展のために制作した《植物の記憶》シリーズを中心に約10点の作品を出展します。板状のガラスに植物を挟み込み、高温の窯の中で生育した土地の記憶とともに封印するこのシリーズを、佐々木は10年以上も継続して制作しています。出会いや時の移ろいを窓や庭の存在と重ね合わせつつ、ガラスの世界に身を投じた植物の表情で幻想的な空間を創り出します。
新平誠洙は、東京オリンピック2020開催を契機に手掛けた《Inversion2》シリーズを出展します。1936年のベルリンオリンピック記録映像から引用したドイツの円盤投げの選手に、五輪のフラッグを重ね合わせて描いた本作で、新平は絵画面を高速回転させフラッシュライトを当てながら見せるストロボスコープの原理を用いたバージョンを制作。臨場感あふれる絵画体験で知覚に揺さぶりをかけます。
堀川すなおは、「分かるとはどういうこと?」について考えながら、約15年間に渡って観察し続けている“バナナ”をモチーフに描いた約20点の新作絵画を出展します。観察はさまざまな人種や年代の人々も交えて行われ、言葉や絵によって表現された情報をもとに、堀川は人間の解釈が導く“バナナ”のかたちを描きおこしていきます。緻密な線画の集積は、新たな創造の回路を開く無限の可能性に満ちています。
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アーティスト プロフィール
佐々木類 Rui Sasaki
1984 高知県生まれ
2006 武蔵野美術大学造形学部工芸工業デザイン学科ガラス専攻 卒業
2010 ロードアイランドスクールオブデザイン修士課程ガラス科修了
2010-11 ウースター州立大学付属ウースターセンターフォークラフト 講師
2012 京都造形芸術大学教育教養センター 講師
2013-16 富山市立富山ガラス造形研究所 助手
2017-21 金沢芸術財団法人金沢卯辰山工芸工房 専門員新平誠洙 Seishu Niihira
1988 大阪府生まれ
2014 京都市立芸術大学大学院美術研究科 絵画専攻 修了
2016-17 渡米・渡蘭
2018 京都市立芸術大学大学院美術研究科 絵画専攻 博士 (後期) 課程 退学堀川すなお Sunao Horikawa
東大阪の発明家の家系に生まれる。
2008 クーパーユニオン芸術大学留学
2010 京都精華大学 芸術学部造形学科洋画専攻 卒業
2012 京都市立芸術大学美術研究科絵画専攻油画分野 修了
2015-16 平成27年度ポーラ美術振興財団在外研修員としてニューヨーク滞在
2019 ウィンドウディスプレイ制作、ポーラ・ザ・ビューティー銀座、東京
東大阪市文化創造館の中庭にパブリックアートを制作・設置(プレスリリースより)
ACG eyes 7: Records − 佐々木類・新平誠洙・堀川すなお−
会期:2022年8月20日(土)〜9月17日(土)
会場:アートコートギャラリー
時間:11:00〜18:00、土曜は17:00まで
休廊:日・月曜、祝日
問合:info@artcourtgallery.com 06-6354-5444
大阪市北区天満橋1-8-5
OAPアートコート1F