神戸を拠点とする作家・榎忠は、70年代から現在にいたるまで、身体を使った型破りなパフォーマンスをはじめ、銃や大砲などの武器を題材として扱ったり、金属の廃材に新しい生命を吹き込み作品化したりと、ユニークで社会にインパクトを与える活動を行ってきました。彼の先見性と表現することへの誠実さ、作品を生み出す並外れたエネルギーは、驚き・感嘆とともに、世代・地域を超えた多くの人々を虜にしています。
ノマルでは、2006年に「Everyday Life/Art」を開催して以来、実に16年ぶりの個展となります。前展は、初の作品集「EVERYDAY LIFE/ART:ENOKI CHU」の出版記念展として、榎のそれまでの活動を総括する内容でしたが、今回は”2022年現在の榎忠”をご覧いただく完全新作展となります。
昨秋、榎が70年代当時使用していた戦闘機ドローイングの版をノマルのシルクスクリーン技術で復元したことから計画はスタート。さらにその頃世間を賑わせていた、海底火山から噴出された軽石が日本各地の海岸へ漂着したという話題が榎のイマジネーションを掻き立て、「軽石(Pumice)」がモチーフのひとつとなりました。
展示では、ノマルとのコラボレーションで生まれた大量のシルクスクリーン版画が会場を埋め尽くし、榎の壮大な世界を作り上げます。新しいことに挑戦しながらも、衰えを知らない創作への圧倒的な熱量と、怒りにも似た強烈なメッセージ、そして昨今の社会情勢を見通したかのような先見性には、”榎忠ここにあり”を肌身で体感できる空間となることでしょう。78歳となる榎忠が現代に投げかける渾身の新作展、是非ともご注目くださいますよう、よろしくお願いいたします。
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[Artist Statement]
Pumice
46億年という想像できないほど前に地球が生まれ、マグマが地上に噴出し、あらゆる事物を出現させ、鉄が生まれ、本当にたまたま人間が生まれ、ひとりでは生きられないから社会を作り、平和のためにと原爆を作り、人間の欲望で宇宙や自然を破壊しています。
2021年に海底火山の大規模な噴火が起きました。大量に噴出した軽石─Pumice は、地球内部から噴出したマグマが急冷されて固まったものです。大量の軽石は、波風にのり、沖縄へ、そして大阪Nomartへ流れ流れてきました。
自分のおよばない世界への想像力を武器に、戦わないという戦いのため生涯闘い続ける!!
榎 忠
(Webサイトより)
会期:2022年8月27日(土)~9月24日(土)
会場:ギャラリーノマル
時間:13:00~19:00
休廊:日曜、祝日
関連イベント
Closing Live : Pumice(パミス)
日時:9月24日(土) 19:45~(開場19:30)
出演:美川俊治 T.Mikawa(非常階段/ Incapacitants)from Tokyo、sara (.es / piano)
料金:前売3,000円、当日3,500円 ※事前予約制
予約:予約フォームまたは06-6964-2323より予約
大阪市城東区永田3-5-22