世界で最初に物語映画を監督し、ハリウッドの映画製作システムの原型をつくった女性映画監督アリス・ギイ。そのアリスを取り上げたドキュメンタリー映画『映画はアリスから始まった』公開記念として、彼女が監督した短編映画がシネ・ヌーヴォにて上映される。
パリの写真機材会社ゴーモン社に就職し、社長秘書を務めていた1895年、リュミエール兄弟による世界初の映画『列車の到着』を見て、映画で物語をつくることを提唱したアリス。社長から条件付きで映画製作の許可を受け、翌1896年に第1回監督作『キャベツ畑の妖精』を完成させる。以降、撮影所長を11年務め、1907年にアメリカへ拠点を移すまでフランスで400本以上の映画を監督した。このプログラムでは、1898年から1907年にかけて製作された全13作品(計50分)が上映される。
クローズアップや音と映像の同期といった、現在に至る映画技法もアリスが生み出したもの。世界初の女性映画監督の軌跡をスクリーンで観賞できる貴重な機会だ。
全13作品(50分)
『催眠術師の家で』Chez le magnétiseur(1分/白黒)1898年
『世紀末の外科医』Chirurgie fin de siècle(2分/白黒)1900年
『オペラ通り』Avenue de l’Opéra(1分/白黒)1900年
『全自動の帽子屋兼肉屋』Chapellerie et Charcuterie mécaniques(1分/白黒)1900年
『カメラマンの家で』Chez le photographe(1分・白黒)1900年
『フェリックス・マヨル 失礼な質問』Questions indiscrètes(3分/染色 → 彩色)1905年
『マダムの欲望』Madame a des envies(5分/白黒)1906年
『フェミニズムの結果』Les Résultats du féminisme(8分/白黒)1906年
『キャスター付きベッド』Le Lit à roulettes(4分/白黒)1907年
『ソーセージ競争』La Course à la saucisse(5分/白黒)1907年
『ビュット=ショーモン撮影所でフォノセーヌを撮るアリス・ギイ』Alice Guy tourne une phonoscène(2分/白黒)1907年
『バリケードを挟んで』Sur la barricade(5分/白黒)1907年
『銀行券』Le Billet de banque(12分/白黒)1907年(シネ・ヌーヴォWebサイトより)
『映画はアリスから始まった』公開記念 アリス・ギイ監督短編集
日時:2022年9月4日(日)13:50、9日(金)17:30
会場:シネ・ヌーヴォ
料金:1,000円(均一)
問合:06-6582-1416(シネ・ヌーヴォ)
※全席指定
※オンライン予約の場合は専用窓口で発券、当日券は当日窓口で指定席を選択し購入。開始10~15分前から入場可能
大阪市西区九条1-20-24