本特集では、ドキュメンタリーとフィクションの関係やその境界について向き合いました。それは、「事実」「作為」「理解」というような言葉の定義や、それらに付随する葛藤の輪郭をなぞっていくような作業であり、あらためてドキュメンタリーとフィクションの境界というものがいかに流動的で、相互的関係にあるかを感じています。 人が食べるという行為をインタビューを通して観察・分析してきた独立人類学者の磯野真穂さんとの対談では、他者を理解することについて言葉を交わしました。また、現代フランス哲学、芸術学、映像論をフィールドに文筆業を行う福尾匠さん、同じく、映画や文芸を中心とした評論・文筆活動を行う五所純子さん、そして、劇団「ゆうめい」を主宰し、自身の体験を二次創作的に作品化する脚本&演出家・池田亮さんの寄稿では、立場の異なる三者の視点からドキュメンタリーとフィクションの地平の先になにを見るのかを言葉にしていただきました。 対岸の風景を可視化していくこと、まだ見ぬ世界を知覚すること、その先に結ばれた像が唯一絶対の真実から開放してくれることを信じて。そして、今日もわたしは石をなぞる。 小田香 Kaori Oda ー 1987年大阪生まれ。フィルムメーカー。2016年、タル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factoryを修了。第一長編作『鉱 ARAGANE』が山形国際ドキュメンタリー映画祭アジア千波万波部門にて特別賞受賞。2019年、『セノーテ』がロッテルダム国際映画祭などを巡回。2020年、第1回大島渚賞受賞。2021年、第71回芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
Event
2022.09.23
#アートコートギャラリー#ART#EXHIBITION#南森町#大阪市#桜ノ宮

ニューヨークを拠点に平面における新たな表現の可能性を追求した
中里斉の個展、アートコートギャラリーにて開催。
日本帰国中の初期作品を、初めてまとまった形で紹介。

ニューヨークを拠点に平面における新たな表現の可能性を追求した中里斉の個展、アートコートギャラリーにて開催。日本帰国中の初期作品を、初めてまとまった形で紹介。

この度、アートコートギャラリーでは中里斉(1936-2010)の個展を開催します。

中里は東京の町田に生まれ、1960年に多摩美術大学油彩科を卒業後、ʼ62年に渡米。ウィスコンシン大学大学院に在籍中、版画やシステム工学の方法論に触発され、抽象絵画の道へと進みます。ʼ68-ʼ71年の日本への一時的な帰国を経て再渡米して以後、ニューヨークを拠点に作家活動を行い、教鞭をとったペンシルヴェニア大学大学院で実験的な版画制作を行うとともに、主軸とする絵画の制作に版画の思考法を援用しながら平面における新たな表現の可能性を追求しました。

生涯を通じて理知的な線と鮮やかな色面による抽象性を貫き、ʼ50-ʼ60年代にアメリカで隆盛したカラー・フィールド・ペインティングの流れを汲む作家として知られる中里ですが、そのキャリアの初期、日本に帰国していた3年間には、モノクロームの直線のみで構成された作品を継続的に発表しています。それは、当時世界的な広がりを見せた既成の価値観に対する抵抗の気運に触れるなかで、作家が自身の制作態度を批判的に検証し、絵画をとりまく既存の枠組みを解体すること、さらにはアメリカで学んだシステマチックな制作理論を取り入れることによって生み出した独自の表現であると同時に、線と色面によるその後の作品展開の原点ともなるものでした。

「なぜ絵を描くのか」「既存の絵の概念を否定した絵とは何か」
これらの根源的な主題に、中里は美術家として、また、社会に生きる一人の人間として、生涯を通じて向き合い続けました。それはまた、絵画と版画という2つのメディア、そして、日本とアメリカ、日本語と英語という異なる文化・言語的背景に身を置いた作家が、双方の特性と差異を照らし合わせることで独自の造形言語を組み立て、それを基盤とする創造行為によって自身の生活を方向づけていこうとする営みでもあり、そこには、つねに自らの居場所を相対化し、目の前の世界について別の可能性を想像しようとする、知性と好奇心に富んだ態度が通底しています。
12年ぶりの個展となる本展では、そうした問題意識に作家が最初に向き合った日本帰国中の初期作品を、初めてまとまった形で紹介します。また、フォーマリズム理論を越えて色面抽象の可能性を模索したʼ70年代-ʼ80年代にかけての作品とともにそれらを通観することで、中里斉の表現の本質と美術史における意義を改めて探ります。

(プレスリリースより)

ニューヨークを拠点に平面における新たな表現の可能性を追求した中里斉の個展、アートコートギャラリーにて開催。日本帰国中の初期作品を、初めてまとまった形で紹介。
《Untitled》キャンバスに着彩 174.2 x 183.5 cm 1970年
ニューヨークを拠点に平面における新たな表現の可能性を追求した中里斉の個展、アートコートギャラリーにて開催。日本帰国中の初期作品を、初めてまとまった形で紹介。
《Color from Minas de “Oro”》アクリル、油彩、キャンバス 176 x 368 cm(2点組) 1987年

中里斉:1968-1971 東京

会期:2022年9月24日(土)~10月22日(土)

会場:アートコートギャラリー

時間:11:00~18:00、土曜は17:00まで

休廊:日・月曜、祝日

問合:06-6354-5444

関連イベント
トークイベント
日時:9月24日(土)14:00~15:30
定員:20名 ※要事前予約(info@artcourtgallery.com / 06-6354-5444)

※東京のMEMにて中里斉展が同時期開催。

アートコートギャラリー

大阪市北区天満橋1-8-5
OAPアートコート1F

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