2022年2月に開館した大阪中之島美術館と、道路⼀本を隔てて隣り合う国立国際美術館が初めて共同で企画した展覧会「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」が、両館にて同時開催される。
GUTAI =具体美術協会(具体)は、1954年、兵庫県の芦屋で結成された美術家集団。画家の吉原治良(1905〜72)を中核に、絵画をはじめとする多様な造形実践をとおして、「われわれの精神が自由であるという証を具体的に提示」しようとした。吉原による指導のもと、会員たちがそれぞれの独創を模索した18年の軌跡は、今なお国内外で大きな注⽬を集めている。
本展は、具体の歩みを、「分化」と「統合」という2つの視点からとらえなおすことを試みる。
「分化」をテーマとする大阪中之島美術館では、具体の制作からいくつかの要素を抽出し、個々の制作のありようを子細に検証。どのような表現が受け容れられてきたのか最大限可視化することで、具体というグループの本質に迫る。
国立国際美術館では、絵画らしさを解体し再構築しようとした具体のあゆみをマクロな視点に立って眺め、いくつかの傾向を見出すことで内なる差異をあぶりだし、そのうえで「統合」してみせることを目指す。
中之島は、かつて具体の活動拠点「グタイピナコテカ」があった場所。具体が解散して50年の節⽬となる年に、ゆかりの地に建つ2つの美術館がどのような具体像を提示するのか、注目される。
出品作家(五十音順)
今井祝雄、今中クミ子、上前智祐(うえまえちゆう)、浮田要三、大原紀美子、小野田實、金山明、菅野聖子、聴濤襄治(きくなみじょうじ)、喜谷繁暉(きたにしげき)、木梨アイネ、坂本昌也、嶋本昭三、白髪⼀雄、白髪富士子、鷲見康夫、田井智、高﨑元尚、田中敦子、田中竜児、坪内晃幸、猶原通正(なおはらみちまさ)、名坂千吉郎、名坂有子、堀尾昭子、堀尾貞治、前川強、正延正俊(まさのぶまさとし)、松田豊、松谷武判(まつたにたけさだ)、向井修二、村上三郎、元永定正、森内敬子、山崎つる子、吉田稔郎、ヨシダミノル、吉原治良、吉原通雄
大阪中之島美術館 国立国際美術館 共同企画
すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合会期:2022年10月22日(土)〜2023年1月9日(月・祝)
会場:大阪中之島美術館5階展示室 、国立国際美術館 地下2階展示室
時間:10:00〜17:00
※国立国際美術館は金・土曜は20:00まで(入場は閉場の30分前まで)休館:月曜日(ただし、1月9日[月・祝]は両館開館/1月2日[月・祝]は大阪中之島美術館のみ開館)
※大阪中之島美術館は12月31日(土)、1月1日(日・祝)休館
※国立国際美術館は12月28日(水)〜1月3日(火)休館料金:2館共通券2,500円、一般/大阪中之島美術館1,400円、国立国際美術館1,200円
※そのほか料金の詳細は各館のWebサイトを参照
大阪中之島美術館 https://nakka-art.jp/exhibition-post/gutai-2022/
国立国際美術館 https://www.nmao.go.jp/events/event/gutai_2022_nakanoshima/問合:
大阪中之島美術館の展示について 06-4301-7285(大阪市総合コールセンター)
国立国際美術館の展示について 06-6447-4680(代表)関連イベント
インターナショナル スカイ フェスティバル
具体の空中展覧会を再現。美術館の屋上から7球のアドバルーンを掲揚。
日程:11月15日(火)〜20日(日)
会場:大阪中之島美術館会期中イベント
びじゅつあー
美術館スタッフ、参加者と作品のスライドトークを楽しみ、「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」展を鑑賞する。
日程:2022年10月23日(日)
会場:国立国際美術館
※時間や参加申込方法など詳細は公式Webサイトにてちっちゃなこどもびじゅつあー 〜絵本もいっしょに〜
絵本を読み、作品のスライドトークを楽しんでから、「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」展を巡る。
日程:2022年11月30日(水)、12月7日(水)、12月21日(水)
会場:国立国際美術館
※時間や参加申込方法など詳細は公式Webサイトにてびじゅつあーすぺしゃる「やってみよう! 体験 体感 具体美術!」
作家の行為を体験、体感し、自分自身の手に伝わる感覚をもとに「すべて未知の世界へ ― GUTAI 分化と統合」展を鑑賞する。
日時:2022年12月17日(土)、18日(日)10:30~12:30/14:00~16:00
会場:国立国際美術館
※時間や参加申込方法など詳細は公式Webサイトにてみる+(プラス)
視覚(みる)だけに頼ることなく、ほかの感覚器官もプラスして働かせることにより、誰もが鑑賞をはじめとする美術館のアクティヴィティを楽しめることを目指すプログラム。
日程:10月30日(日)、11月20日(日)、12月4日(日)
会場:国立国際美術館
※参加申込方法など詳細は公式Webサイトにて