ステートメント
水面に映る風景にさわれないように、翔ぶ鳥の羽に触れることはできない。
この世界に確かに存在するものであるのに。
風景と自分の間にある距離もしくは境界線のようなこと。
ある瞬間、それが消えたような気がすること。犬と海岸を散歩しながら、何気なく飛んでいる鳥を眺める。
私の日常の風景の一部として当たり前のようにあり、その存在はとても近く、風に乗って飛ぶ姿が美しいなあと日課のように思う。
でも、その羽に触れることはできないし、触れられないということに気づいてもいない。
それに気づいた時、見るということがとても不確かで曖昧であるとあらためて感じた。
私が見ている鳥はその実体から離れて私が見ている鳥としてとても曖昧に、でも確かに存在しているのだ、と。
目に見えていること、見えていないこと、確かに存在しているということ、同時にある不確かさ。
現存するものを写しとり記録するという写真の性質は、その捉えきれない世界について、着地点を与えてくれるような気がするのです。原口佳子
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原口 佳子 / Haraguchi Yoshiko
目に見えるものがすべてではないということを確かめる行為として撮影、作品制作を続けている。
〔個展〕
2021 「飛ぶ鳥の羽に触れたい」 金柑画廊(東京 目黒)
2019 「いない」 Galerie de RIVIERE(大阪 吹田)
2018 「いない」 金柑画廊(東京 目黒)
2016 「輪郭のない記憶」 金柑画廊(東京 目黒)
2012 「それでもつづく」 金柑画廊(東京 目黒)
2009 「床屋のかがみは海へつづく」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2009 「cosmos ~バウムクーヘンの森/嘴のさきに見える山」artdish(東京 神楽坂)
2008 「バウムクーヘンの森」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2006 「うきわかもめ」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2005 「Land」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2003 「echo」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2002 「sonatine album」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2001 「night swimming」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
2000 「blue noise」 FUKUGAN GALLERY(大阪)
1999 「PLASTICBLUE」 FUKUGAN GALLERY(大阪)〔グループ展 他〕
2020 「IMA next(THEME #11 “LIGHT”)」ショートリスト選出
2013 ”The Calm before the Storm” GALLERY HO (ニューヨーク)
1998 “canon写真新世紀”佳作 など
会期:2022年11月5日(土)〜13日(日) ※土・日曜のみ
会場:Galerie de RIVIERE
時間:12:00〜19:00(入場は18:30まで)
休廊:月〜金曜
観賞料:500円 ※事前予約制、鑑賞予約フォームはこちら
主催・問合:リヴィエール info.riviere@urdarkroom.com
Galerie de RIVIERE(ギャルリ・ド・リヴィエール)
吹田市垂水町3-1-17