1954年、吉原治良を中心とする関西の若手前衛作家によって、兵庫・芦屋で結成された具体美術協会(以下、具体)。そのメンバーとして活動した、美術家・絵本作家である元永定正の生誕100年を記念した展覧会「具体の仲間と中辻?悦子」が、2022年11月23日(水・祝)より髙島屋大阪店ギャラリーNEXTで開催される。
元永は具体時代、キャンバスに油彩絵の具を流すたらし込み画法や、色水とビニールを素材とした立体作品などで自然現象を表現し、注目を集めた。1971年の脱退後は、色鮮やかでグラフィカルな絵画を制作。詩人・絵本作家である谷川俊太郎と手がけた『もこ もこもこ』(1977年、文研出版)や、自著『がちゃがちゃ どんどん』(1990年、福音館書店)、ジャズピアニスト・山下洋輔との『もけら もけら』(1990年、福音館書店)などの絵本を発表し、作風と言葉の音感が組み合わさったユーモラスな世界観を表した。既成概念にとらわれないその表現の根底にあるのは、具体で前衛的な作品をつくり続けた現代美術作家としての精神だろう。
本展では、元永の具体への加入後、1960年代にメンバーとなった美術家の今井祝雄と前川強、松谷武判、そして元永のパートナーであり、グラフィックデザイナーとして、同じく美術家・絵本作家として活躍した中辻?悦子の作品を公開。髙島屋史料館が所蔵する元永の大作2点も出品される。前衛を追い求め、同時代を過ごした作家たちの表現から、戦後の現代美術を模索・実践してきた力強さを感じ取りたい。
元永 定正生誕100周年記念 具体の仲間と中辻?悦子
会期:2022年11月23日(水・祝)〜2022年11月28日(月)
会場:髙島屋大阪店ギャラリーNEXT
時間:10:00〜20:00
賛助協力:元永定正
出品作家:今井祝雄、前川強、松谷武判、中辻?悦子
大阪市中央区難波5-1-5