ディレクターズ・アートフェア「METAMETA “アルター”市場 vol.04」が、京都の宿泊型ミュージアム、BnA Alter Museumにて開催される。
”市場をオルタナティブに思考するアートマーケット”として2020年に第1回目を開催した本企画は、当初より既存のジャンルにとらわれないディレクション及びキュレーションを展開するディレクターを擁立し開催してきた。
4回目となる今回は、タイトルを「メタモール」から「メタメタ」へと変容。南堀江のTEZUKAYAMA GALLERYでディレクターを務める岡田慎平や、中之島のアートエリアB1の運営に長年携わり現在は京都市京セラ美術館に勤務する川口万喜など、大阪や京都、東京を拠点に活動する4人のディレクターが、9人の作家の作品にて展覧会を構成する。
テーマは「連続性」。ディレクター及びグループ展という形式が持つメタ的な視点への関心を継承しながら、それぞれのディレクターが「連続性」をどのように解釈し展示へと反映するのか、注目される。
出展アーティスト
井田大介/ Daisuke Ida
1987年鳥取県生まれ、東京都在住。2015年東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。彫刻という表現形式を問いながら、彫刻・映像・3DCGなど多様なメディアを用いて、目には見えない現代の社会の構造や、そこで生きる人々の意識や欲望を視覚化してきた。16年からは、世界中の人々がインターネット上にアップロードしている匿名的な画像を素材として、インターネット以降のモノや身体の在り方を彫刻する「Photo Sculpture」を継続的に制作している。大江慶之 / Yoshiyuki Ooe
視点を変えることで、モノの意味や認識が変様する事に着目した立体作品、絵画作品を制作。モチーフ同士の組み合わせや、そこから生まれる相互作用は、シュールレアリスムの手法「デペイズマン」や「Wヴィジョン」を想起させる。背景、マスキングテープ、ドローイング(メモ帳)で構成した塊、あるいは、マケットのような構造物をモチーフに、一定の距離感を取った視点や構図で描いた絵画作品を2021年より制作・発表。齋藤帆奈 / Hanna Saito
多摩美術大学工芸学科ガラスコースを卒業後、metaPhorestに参加し、バイオアート領域での活動を開始。現在は東京大学大学院学際情報学府博士課程に在籍。理化学ガラスの制作技法によるガラス造形や、生物、有機物、画像解析等を用いて作品を制作しつつ、研究も行っている。近年では複数種の野生の粘菌を採取、培養し、研究と制作に用いている。主なテーマは、自然/社会、人間/非人間の区分を再考すること、表現者と表現対象の不可分性。新平誠洙 / Seishu Niihira
空間の歪みや分裂といったノイズ現象に着目し、複数の時間軸や光学原理を用いた写実的な人物描写で、シュール・レアリスティックな絵画世界を構築。ポストインターネット以降の視覚体験を基軸に、私的な「見る」欲求をストレートに表現しながら、絵画における時間と空間を追求する作品を発表。NISHINARI YOSHIO
美術家の西尾美也が、西成区山王にある創造活動拠点「kioku手芸館たんす」に集まる地域の高齢女性たちとの共同制作により、2018年に立ち上げたファッションブランド。女性たちの予想を裏切るアレンジや発想の飛躍、西尾が考えるイメージとの齟齬など、予期せぬズレをコンセプトの一つに、作業着=日常を生きるための服を提案。
※西尾美也…1982年奈良県生まれ。美術家、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。藤田紗衣 / Sae Fujita
1992年京都府生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画修了。ドローイングを起点に、シルクスクリーンやインクジェットプリントなどの印刷技術を用いて、描くこと自体を版によって再解釈し、描く行為から時間的・空間的に分けられたイメージを作る。主な展覧会に 個展「仮想ボディに風」ザ・トライアングル(京都,2022)、グループ展「惑星ザムザ」小高製本工業株式会社跡地(東京,2022)など。船川翔司 / Shoji Funakawa
1987年鹿児島県生まれ。大阪府在住。特定の環境や状況から得た経験に基づく作品を、多様な手法を用いて発表している。美術表現のみならず、音楽やパフォーマンス分野など活動の幅は多岐にわたる。主な展覧会・公演に、個展「Hey, _ 」神戸アートヴィレッジセンター(兵庫,2022)、公演 RIGA PERFORMANCE FESTIVAL:STARPTELPA(ラトビア共和国,2021)など。マメイケダ / mameikeda
1992年島根県生まれ。大阪在住。食べたごはんをよく描いている。書籍の装画などのイラストレーションや展覧会での発表など、主に画業を中心に活動。2016年HBファイルコンペVol.27 仲條正義賞を受賞。近年の主な著書に、絵本「えきべんとふうけい」(あかね書房,2021)、画集「ふうけい3」(iTohen press,2022)。装画に、「ウマし」(伊籐比呂美 著、中央公論新社、2018)など。山形一生 / Issei Yamagata
1989年埼玉県生まれ。主な展示や発表に、『ENCOUNTERS』(ANB Tokyo, 2020)、『パンゲア・オン・ザ・スクリーン』(2020)、『The Wrong Viennale』(オンライン, 2019)、『Infinity Festival』(2019、カリフォルニア)、『ARS ELECTRONICA』(2017, オーストリア)、『surfin’』(2016)などがある。2018年に『映像作家100 – NEWAWARDS』の最優秀賞を会得。
参加ディレクター
岡田慎平
TEZUKAYAMA GALLERY ディレクター / DELTA ディレクター
2014年から現在までTEZUKAYAMA GALLERYに勤務。 ギャラリーでの展覧会企画、プレス対応、出版物の編集業務を兼任。
また、国内外のアートフェアなどで所属アーティストの作品を紹介。 2020年から共同代表としてアートプロジェクト「DELTA」を立ち上げ、大阪、東京でアートフェアや展覧会を企画。大阪を中心とした美術業界の活性化に従事している。川口万喜
アートコーディネーター
1983年大阪府生まれ。成安造形大学芸術計画クラス中退後、4年間三重県にて農業に従事。2009年より大阪・中之島のコミュニティスペース「アートエリアB1」に勤務。現代美術の展覧会、貸切電車での音楽ライブやパフォーマンス企画等のコーディネート、施設管理、事務局運営などを担当し、2023年に退職。現在は京都市京セラ美術館に広報として勤務。佐藤栄祐
TAV GALLERY ディレクター
1993年生まれ、東京都出身。
一般社団法人TAV代表理事。TAV GALLERY(株式会社佐藤商店)から2021年に独立、港区西麻布の新たなテナントにてTAV GALLERYをグランドオープン。2014年に開廊以降、81本の企画展示を制作、10本のアートフェアに参加。未開の表現と、それを生み出す人々のプラットフォームを使命に掲げ、日々生まれる新たな潮流の兆しを積極的に取り上げています。筒井一隆
1986年生まれ。BnA Alter Museumアートディレクター。ギャラリーでのディレクション、インテリアデザインオフィスでのアートコーディネート業務を経て、京都河原町の宿泊型ミュージアムBnA Alter Museumにて展覧会のキュレーションやイベントの企画運営を行う。主な展覧会に「連続するプロジェクト/インスタレーションを所有する」(2022)、 「楽観のテクニック」(2020)など。
会期:2023年3月3日(金)~4月9日(日)※会期中無休
会場:BnA Alter Museum 1F/2F
時間:11:00~20:00
料金:入場無料
問合:075-748-1278
京都市下京区天満町267-1