このたびエスパス ルイ・ヴィトン大阪では、偉大な芸術家アルベルト・ジャコメッティの展覧会を開催いたします。本展は、フォンダシオン ルイ・ヴィトンが主催する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として開催されます。同プログラムは、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪に設けられたエスパス ルイ・ヴィトンにおいてフォンダシオンの所蔵作品を展示する国際的なプロジェクトの開催を通じ、より多くの人々に作品に触れる機会を提供することを目指しています。
1901年にスイスに生まれたアルベルト・ジャコメッティは、1922年にフランスのパリに移り住みます。モンパルナス界隈に新たな拠点を見出してから1966年に亡くなるまでこの地で制作に取組み続けました。
シュルレアリストな作風がいち早く認知されて名声を獲得し、アンドレ・ブルトンやジョルジュ・バタイユ、アンドレ・マッソン、ミシェル・レリスといった時代の寵児と親交を築いたにも関わらず、ジャコメッティはこの作風とほどなく決別し、人物モデルを対象とした手法に回帰します。この孤高なる離脱で「ただ人間の頭像を主題に扱いたい」という決意を持ったジャコメッティは、創造の源泉に集中することを望み、芸術運動に所属することから遠ざかりました。その作品には、先史、古代エジプト、シュメール、古代ギリシアのアルカイック期といった各時代の芸術に対する深い造詣が映し出され、日々自身が対峙しているモデルとの関係性と、時代を超越した古代のモデルのフォルムが巧みに融合されています。
1935年以降、ジャコメッティは実在のモデルのみと向き合い、このスタイルが作品制作におけるただ1つの強迫的ともいえる主題となりました。これと並行してスケール感に着目したジャコメッティは、人物像がいかに空間に存在し、空間に影響を与えうるかを追求します。1950 年代に入ると、彫刻作品の身体が次第に細くなり、最終的に、不安定な存在の輪郭はこれ以上不可能な域まで削ぎ落とされるようになります。「(…)通りを歩く男の重量は無に等しく、彼が死んでいたり、意識がないとしても遥かに軽量です。身体のバランスは脚部で取られ、体重から解放された状態を獲得しています。これこそが、潜在的に再現したいと思っていたことでした。この軽さを独自のシルエットで表現したのです…」(1963年、ジャン・クレイによるインタビュー)見たままにモデルを形にできないという悶々とした想いの中、ジャコメッティはフォルムの究極的な単純化に辿り着きます。すると逆説的にこの独自のフォルムから人物の真の姿が立ち現れたのです。感情的な表現に留まらず、密度の濃い空間に作品が導入されることで点や線が表れるような、視覚的なアプローチも取入れています。ジャン・ジュネは、「ジャコメッティの彫刻作品の美は、この上なく遠くのものと、この上なく身近なものの間を絶えず行き来する様に立ち現れてくる。この行き来が永遠に続くため、ジャコメッティの彫刻作品はいわば動いている状態にある」と評しています。
エスパス ルイ・ヴィトン大阪における第3回目の展覧会となる本展では、フォンダシオンの所蔵コレクションからジャコメッティを象徴する7点の彫刻作品:《棒に支えられた頭部》 [Tête sur tige] (1947年)、《3人の歩く男たち》 [Trois hommes qui marchent](1948年)、《ヴェネツィアの女 III》 [Femme de Venise III] (1956年)、《大きな女性立像 II》 [Grande Femme II] (1960年)、《男の頭部》 [Têtes d’homme] (ロタール I)(Lotar I)、(ロタール II)(Lotar II)、(ロタール III)(Lotar III)(1964-1965年)を展示。
これらの傑作には、スイスを代表する芸術家ジャコメッティの才能が写し取られています。(Webサイトより)
会期:2023年2月23日(木)~6月25日(日)
会場:エスパス ルイ・ヴィトン大阪
時間:12:00~20:00
休館:ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋に準ずる
料金:入場無料
予約:https://jp.louisvuitton.com/jpn-jp/point-of-sale/japan/espace-louis-vuitton-osaka
※2月16日(木)~予約受付開始問合: contact_jp@louisvuitton.com 0120-00-1854
エスパス ルイ・ヴィトン大阪
大阪市中央区心斎橋筋2-8-16
ルイ・ヴィトン メゾン 大阪御堂筋 5F