<ギャラリーより>
大阪の中でも西側のエリアは今なお、昭和の雰囲気が色濃く残る下町の代表とも言えるエリアです。そんな大阪の西側の風景を撮り続けている写真家・東松至朗が10年前の2013年に発表したのが、西区の京セラドーム大阪とその周辺を被写体とした「THE DOME」です。東松にとって1作目となる今作は、町のどこからでも目に入る巨大なドームの姿を遠く、近く、さまざまな場所から撮影した作品になっています。
大阪の下町に居座った大きな生き物のようなドームの姿は、町並みに溶け込むことのない異質な存在でもあり、時になんとも言えぬユーモラスさをも見る者に感じさせます。
今回の展覧会「VIEW OSAKA THE DOME あれから10年」は、出版10周年となる今年、10年前に撮影したのと同じ場所・アングルからふたたび撮影を行い、それぞれの写真を対比するように並べた展覧会となります。10年を経て、変わらぬドームと、変わりゆく町の姿をどうぞご高覧ください。
<東松 至朗 より>
大阪ドーム(現京セラドーム大阪)が完成した時、銀色に輝くドームは遥か遠い星からやって来た飛行物体を思わせ、下町に明るい未来を予感させてくれた。そして地元は地域大発展の主役をドームに期待した。だが、大イベントが開催されても、ドームは地元の主役になる事もなく、息を潜め静かに鎮座する奇妙な造形物であった。2013年に写真集「VIEW OSAKA THE DOME」を出版した。
2023年、出版10周年を機に10年前の写真と同じ場所から10年後を撮影し、10年前と10年後の写真を並べ「あれから10年」と題した写真展を開催します。
大阪市内の下町界隈等からドームを眺めた写真に、大阪浪花10年の「街景の移ろい」を楽しんでもらえたら嬉しく思います。
東松 至朗 写真展「VIEW OSAKA THE DOME あれから10年」
会期:2023年2月28日(火)~3月12日(日)
会場:ギャラリー・ソラリス
時間:11:00~19:00
休廊:月曜
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F