【Statement】
〈‘循環の合図’〉
我々は、地球にある資源を利用することを通じて、物質的発展を図り精神的充足を獲得するべく、文明化を推し進めてきました。ここでいう文明化というのは、技術の発展と制度的な発展を含んでいます。そして、現代に至ってようやくある種の発展の限界点のようなものを感じ取った社会の動きとして、自然との向き合い方や経済活動や制度のあり方などへの関心の高まりが見て取れるようになりました。そこでは、例えば、‘循環型社会’など、循環をめぐる言説も多くみられるのではないでしょうか。そんな現代において、本展では、循環という概念を異なる角度から示してくれる作家たちによる本展覧会が循環のメタファーとして機能することをもって、現代を生きる我々に流れる循環的感覚を呼び起こしてくれることを企図としています。具体的にいえば、生態系における循環、時間の流れとしての循環、身体的な循環、さまざまな文脈に見え隠れするこの概念について考えを馳せるきっかけとなることを期待しています。
西久松友花は、土と火による現象を通じて人類のルーツともいうべき宗教的文化的記号を現代を生きる彼女の感覚に基づいて再構築することで過去と現在をつなぎ、藤田クレアは、人類の文明の発展ゆえに生み出された産物ともいえる無機物を石などの有機物とともに再構築し、無機物でさえも有機体に変えるかのような作品を生み出すことで現在を未来へつなぎ、そして、生駒敦と故中川幸夫氏は、生命として絶対的な終わりをもつ花を通じて生と死という普遍的な時間軸をもって、循環概念を感覚的に提示してくれます。
(Facebookより)
会期:2023年4月7日(金)〜23日(日)
会場:Marco Gallery 1階
時間:12:00〜19:00
定休:月・火曜
同時開催
オヤマアツキ「SYMBOLIZE A SYMBOL」
会場:Marco Gallery 4階
大阪市中央区南船場4-12-25
竹本ビル1F-3F-4F