劇作家・横山拓也による演劇ユニット・iakuの公演『あたしら葉桜』が、2023年4月28日（金）から30日（日）にかけ、インディペンデントシアター2ndで開催される。

口語セリフの第一人者として知られる岸田國士と、緻密な会話構成による対話劇を中心に作品を手がける横山。本公演は、岸田の名作戯曲『葉桜』の朗読と、同作をモチーフとする『あたしら葉桜』を連続上演することで、大正と現代2つの時代と、2人の作家を並べて見つめようとする試みだ。

大正時代を舞台とする『葉桜』では、娘のお見合いを発端とした、結婚をめぐるとりとめのない母娘の会話が繰り広げられる。一方、『あたしら葉桜』は、同作の設定を現代的な恋愛観、結婚観になぞらえて再構築する。母役は、第20回（2017年度）関西現代演劇俳優賞・女優賞を受賞し、2001年から続けている「ひとり語り」が好評の林英世。娘役は同・奨励賞を受賞し、舞台やドラマなどの映像出演実績を重ね、多方面での活躍が期待される松原由希子が務める。演出は初演に引き続き上田一軒だ。登場人物の心情や関係性を表出させる。

コロナ禍による開催中止を経て、2018年以来念願の再演。口語劇の系譜を感じながら、それぞれの時代のありように注目したい。