2023年7月3日(月)まで髙島屋史料館が開催している、企画展「FROM OSAKA ~百貨店美術部モノガタリ~」。2023年3月4日(土)から5月8日(月)にかけて行われた第I部が終了し、5月20日(土)からは、作品をすべて入れ替えて構成した第II部がスタートする(一部展示資料を除く)。
日本における百貨店美術部のはじまりは、1907(明治40)年、三越呉服店が大阪店に「新美術部」を創設したことに遡るという。その後、1911年(明治44)年には、髙島屋呉服店が大阪店に「美術部」を設立。次第に同業他店でも美術展や美術部が立ち上がっていくが、“百貨店美術部の両雄”として知られたのは三越と髙島屋だった。
本展は、美術品に親しむ場をひらき、誰もが気に入ったものを購入できる“買える美術館”としての、三越と髙島屋美術部の成り立ちと活動をひもとく。そして、「大阪」をキーワードに集めた作品を展示し、百貨店美術部が担ってきた役割を見つめ直すとともに、その現在・未来を思考しようと試みる。
第1章では各美術部創設の歩みを、第2章では、美術館・博物館が全国的に設置される以前から、人々の鑑賞眼を養い、芸術家支援を行ってきた百貨店美術部の役割を紹介。第3章では、美のエキスパートである作家たちと美術部の人々が牽引してきたアートシーンの変遷を、百貨店画廊での精力的な活動展開からまなざす。
かつて髙島屋呉服店でも展覧会をひらき、大阪画壇で活躍した北野恒富の《婦人図》(1929[昭和8]年)と、その絵の婦人の姿を模した、現代美術家の森村泰昌によるセルフポートレート作品《北野恒富・考/壱》(2022[平成24]年)など、第II部のみに登場する作品にも注目だ。美術を育んできた百貨店の物語を、ぜひ感じ取りたい。
会期:2023年3月4日(土)〜7月3日(月)
*第I部は3月4日(土)から5月8日(月)、第II部は5月20日(土)から7月3日(月)
開館時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
会場:髙島屋史料館 企画展示室
休館日:火・水曜
入館料:無料
関連イベント
・講演会「いままでもこれからも“美”は生き方の道しるべ」
日時:2023年6月11日(日)13:00〜14:30
会場:髙島屋史料館多目的ルーム
講師:津田廣行氏(髙島屋美術部OB)
定員:15名
参加方法:要申込・抽選制。詳細は髙島屋史料館Webサイトを参照
※応募期間は5月19日(金)10:00〜25日(木)、抽選結果は5月28日(日)15:00開示予定・学芸員によるギャラリートーク
日時:会期中の毎週土曜14:00~(約30分)
※申込不要。開始時間までに企画展示室に集合状況によりイベントを中止する場合もあり
大阪市浪速区日本橋3-5-25
髙島屋東別館3F