アートとケアの視点から、多彩なアートプロジェクトを実施している奈良の市民団体・たんぽぽの家は、2022年度から新プロジェクト「Art for Well-being」をスタートした。表現とケアとテクノロジーのこれからを考えることを目的に、障害のある人たちとのVRを使ったダンスや生成系AIを活用したワークショップなど、さまざまなテクノロジー×表現の取り組みを行っている。
2023年8月19日(土)に、本プロジェクトの成果の報告とWell-beingについての交流を兼ねて、セミナーとワークショップを京橋のquintbridgeにて開催する。
表現すること、表現に触れること、表現しあうことは、よりよく生きていくことに必要です。
だからこそ、病気や事故、加齢、障害の重度化など心身の状態がどのように変化しても、さまざまな道具や技法とともに、自由に創作をはじめることや、表現を継続できる方法を見つけていきたいと考え、Art for Well-beingプロジェクトをスタートさせました。
生成AIやVR(バーチャルリアリティ)など、毎日のようにニュースなどで目にすることも多くなってきましたが、そうした新しいテクノロジーによって、ケアの現場における表現活動はどのように変わっていくのでしょうか。
この報告会では、障害のある人やケアに携わる人と、エンジニアやデザイナーが新しいテクノロジーを取り入れ実験的に取り組んだ表現活動の成果や考えてきたことを共有し「表現とケアとテクノロジー」について考えていきたいと思います。
(主催者より)
登壇者プロフィール
渡邊 淳司(わたなべ・じゅんじ)
日本電信電話株式会社 上席特別研究員。人間の触覚メカニズム、コミュニケーションに関する研究を人間情報科学の視点から行なう。また、人と人との共感や信頼を醸成し、ウェルビーイングな社会に資する方法論について探究している。主著に『情報を生み出す触覚の知性』(化学同人、2014、毎日出版文化賞〈自然科学部門〉受賞)、『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』(共監修・編著、ビー・エヌ・エヌ、2020)等がある。新川 修平(しんかわ・しゅうへい)
1974年、神戸市長田区生まれ。特定非営利活動法人100年福祉会片山工房 理事長。
20歳のときに阪神淡路大震災を経験して自宅が全壊し、震災での「生と死」「社会」「人とまち」の再生を目の当たりにし、その当時ボランティアで陶芸の福祉作業所に通う。2003年に障害のある方の表現に特化した「片山工房」を設立。2019年(令和元年)度 神戸市文化活動功労賞 受賞。川本 尚美(かわもと・なおみ)
NPO法人100年福祉会 片山工房 アートディレクター、学芸員、写真家。
学生時代に福祉施設に通う機会があり、障害のある方が創作されている現場に出会う。真っすぐな目にすいこまれ、この道で生きてみたいと思い、利用者の創作している現場に携わっているなかで、絵を描く一人一人の姿はとても凛々しく、でも時に創作に悩みながらも、前に進んで行く目に、ただただスゴいなと感じる日々。人の表現と生活とは、人の表現の望みとは、考えながら今がある。
Art for Well-being 2023 成果報告セミナー@大阪
~福祉とテクノロジーの視点から“ウェルビーイング”を考える日時:2023年8月19日(土)14:00~17:00予定(開場13:30)
会場:QUINTBRIDGE(クイントブリッジ)1F
登壇:
渡邊 淳司(日本電信電話株式会社 上席特別研究員)
新川 修平(片山工房施設長)
川本 尚美(片山工房アートディレクター)プログラム:
14:00~14:20 「Art for Well-being」について[たんぽぽの家]
たんぽぽの家が2022年度からスタートしたプロジェクト「Art for Well-being」の概要やこれまでの取り組みをご紹介します。14:20~14:50 講演「わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために」[渡邊 淳司]
触覚やコミュニケーションにまつわるテクノロジーや、ウェルビーイングの研究者である渡邊さんから、ウェルビーイングの考え方やその実践についてお話しいただきます。14:50~15:50 ワークショップ「わたしたちのウェルビーイングカード」[ファシリテーション:渡邊 淳司]
渡邊さんが開発したワークショップツール「わたしたちのウェルビーイングカード」をつかったグループワークを行います。15:50~16:00 休憩
16:00~16:15 報告「片山工房の活動に関して」[新川 修平、川本 尚美]
「人が軸」をモットーに、兵庫で先進的な活動を続ける福祉施設「片山工房」さんより、その活動や日々の中で大切にしている事柄についてお話しいただきます。16:15~17:00 登壇者と会場によるディスカッション
登壇者のみなさんを中心に、福祉の現場とアート、そしてテクノロジーの関わり方の可能性について話し合います。入場料:無料(定員40名)
申込:申込フォームに入力するか、下記の連絡先に名前、人数、メールアドレスを連絡
問合:一般財団法人たんぽぽの家 Art for Well-beingプロジェクト担当[大井、小林]
art-wellbeing@popo.or.jp TEL:0742-43-7055 FAX:0742-49-5501※本セミナーではUDトークによる情報保障を行います
大阪市都島区東野田町4-15-82