重い引き戸を開け瞬間、思わず声が出た。
江戸時代後期に建てられたという時間に、初めは面くらいつつも空間の中にしばらく身を置いていると徐々に見えない色が見えてきた。

刃物関係の工房と住居だった会場となる武石商店は、文化財として保存や修復されている建物ではない。
生活様式や変化により増改築が繰り返されているその場は、 時代ごとに分けられた標本箱のように感じた。

僕は絵画の基本要素である[動き・奥行き・光] の色彩を探求し近年はそこに物質と重力が描く時間を加えた抽象絵画を制作している。
今展では、必然と偶然の中で作り出されたツギハギの時間の中に色と多様なタイムラインを持つ作品を空間と対話しながら配したいと考えています。

2023　夏　中島麦

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開催場所　KARINOMA_旧武石商店
堺旧市街地、大道筋沿いに残る江戸末期に建てられた築200年の町屋。30年前までは、堺の打刃物の卸業を営み、市井の暮らしを継承してきた堺に残る貴重な町屋で、当時の面影が未だ濃く残っている。次世代へ残していくためにsakainomaが受け継ぎ 、本格リノベーションするまでの仮の間としてアーティスト等と協働で展覧会などを企画し、運営をしている。

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中島 麦
美術家。長野県生まれ 大阪育ち 大阪拠点。
京都市立芸術大学美術学部油画専攻 卒業
抽象絵画を制作する事を中心に、そこから拡張する出来事を取り込みながら活動中。
その活動を通して、私自身が何ものからも自由で、何ものをもつなぐメディウムでありたいと考えている。個展、企画展の他、ワークショップや企業コラボレーションなど多数。

（プレスリリースより）

中島麦展「みえない色/ みえる時間」

会期：2023年8月26日（土）～28日（月）、9月2日（土）～4日（月）、9月9日（土）～11日（月）

会場：KARINOMA_旧武石商店

時間：13:00～19:00

料金：500 円（会場の改修・保全費用のドネーションとなります）

主催・問合：SAKAINOMA　nanako@sakainoma.jp

※8月26日（土）18:00 よりオープニングパーティー

同時期開催
中島麦 個展「SILVER painting 2023」
会期：8月30日（水）〜9月11日（月）
会場：高島屋大阪店 6階 ギャラリーNEXT
時間：10:00〜20:00