放出の3階建の民家を改修し、美術作家の西嶋みゆきとしまだそうが作品制作の拠点として使用している建物「cumonos(クモノス)」にて、3つの展示が同時開催される。
3階の会場では、美術作家・池田慎の個展「ひも理論(前期展)」。日用品への刺繍や電気コードを編んで作るオブジェなど、素材の在り方を変貌させる作品を制作している池田が、「ひも」をキーワードとする展覧会を2期にわたって展開する。(後期展「超ひも理論」は2024年1月末に開催予定。)
京都市立芸術大学大学院に在学中の若手作家・宮原寛は、2階で個展「止まっている不確かさ」を開催。宮原は、「イメージの不確定性を絵にすること」を追究しており、グレースケールに変換した写真の断片を複数枚組み合わせるという手法で作品を制作する。
私は何かを見る際の慣習的なイメージに依拠する以前のイメージの不確定性を絵にしたいと考えている。その方法として、グレースケールに変換した写真の断片を複数枚組み合わせたものを使用している。見ているそれは写真の錯覚と物質性が入り混じるように現れる。よって、写真の錯覚や物質、グレーという色のイメージ以前の不確定性が現れる。そして、その経験自体を絵にしている。 宮原 寛
【プロフィール】
大阪府出身
2020年 近畿大学 文芸学部芸術学科造形芸術専攻 卒業
2023年 京都市立芸術大学 大学院美術研究科油画専攻 在学中
個展
2023年
図より弱い(JITSUZAISEI / 大阪)
さわったような(JITSUZAISEI / 大阪)
宮原 寛 個展(JITSUZAISEI / 大阪)ほか
1階で展示するスミダマユは、2023年に近畿大学版画ゼミを卒業したばかりで、今回が初個展。ありふれた生活の中で切り取られた場面をリトグラフなどの手法で描いてきたが、今展ではシルクスクリーンモノタイププリントやサイアノタイプなどの版的方法も用いて表現を深める。
くだらない日々のなかで
散々見慣れた景色がある
言い表せない景色がある
誰にも内緒の景色がある スミダマユ【プロフィール】
生活のなかでいいなと思ったものの写真を撮ったり、絵を描いたりしています。
写真をもとに、記憶を反芻するために手を動かしてイメージを制作しています。2000年 大阪生まれ
2023年 近畿大学 文芸学部 芸術学科 造形芸術専攻 版画ゼミ 卒業
池田慎 個展ひも理論(前期展)
会場:クモノス(cumonos)3階uwanosora宮原寛 個展「止まっている不確かさ」
会場:クモノス(cumonos)2階 cumonomaスミダマユ 個展「景色がある」
会場:クモノス(cumonos)1階studiogallery
※本展は、aigallery学生アートコンペ2022 cumonos賞の副賞による開催3展示共通
会期:2023年10月7日(土)〜22日(日)
時間:土〜月曜 13:00〜19:00、金曜 13:00〜18:00
休廊:火〜木曜
料金:入場無料
大阪市鶴見区今津南3-1-14