約40年にわたって旅の写真を撮り続ける写真家、尾仲浩二氏。日本各地のみならず、海外へも活躍の場を広げる氏は国内外を旅しながら、いずれも観光名所の旅ではない、その土地のさりげない姿を写した数々の作品を発表しており、ソラリスでは6度目の展覧会となります。
1996年に初めて韓国・釜山を訪れた尾仲浩二氏。
今展覧会は、その10日間の滞在で撮影された写真で構成されています。
当時モノクロとカラーポジで撮影され、モノクロの作品がアサヒカメラに掲載されましたが、それから20数年が経ち、今年9月に韓国・釜山のGallery Negativeでの展覧会に際して再セレクト、プリントされた作品を展示いたします。また、韓国で出版された尾仲氏の最新刊となる同名写真集(Gallery Negative発行)も会場で販売予定です。
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静岡県清水を訪れたのは1995年4月だった。歩き回り写真を撮り、夕方に冨士食堂という定食屋に入りビールを飲んだ。食堂には先客がいて、40代半ばの船長と、20代くらいの船員が四人、仕事が終わったのか宴もたけなわで「にいちゃん、一緒に飲みなよ」と機嫌がいい。船長がエビを注文したらエビフライがでてきた。すると「茹でたのがいい」と再注文している。店のおばさんがエビは高いよと言うと「金はある」と財布の中を自慢げに見せた。8000円ほど入っていた。いいなと思った。彼らは釜山から来ていた。漢字と片言の英語で、なんだかわぁわぁやっているうちに、釜山に行きたくなってきた。釜山への旅はここから始まった。
(アサヒカメラ 1996年10月号 撮影ノートより)1993年に月刊写真誌アサヒカメラで連載した『DISTANCE』の特別編として、編集部から取材費を出してもらえることになり、僕は初めての釜山への旅を計画した。初めての韓国にはどうしても海を渡って行きたかったのだ。関釜フェリーの港がある下関に行くために、わざわざ東京から寝台特急「はやぶさ」を使ったのも今思えば懐かしい。当時、韓国での知人は、日本で知り合った写真家のキムさんだけだったので、釜山港まで迎えにきてもらう約束をして下関からフェリーに乗り込んだ。
(尾仲浩二)(Webサイトより)
会期:2023年11月28日(火)〜12月10日(日)
会場:ギャラリーソラリス
時間:11:00〜19:00
休廊:12月4日(月)
料金:入場無料
トーク&ブックサイニング
日時:12月2日(土)16:00~17:00
料金:参加無料
※予約不要(立ち見のみ)
※サインは会場にて写真集購入者が対象作品講評ワークショップ
日時:12月9日(土)17:30~20:30
定員:8名
料金:5,000円
※申込方法など詳細は公式サイトにて
大阪市中央区南船場3-2-6
大阪農林会館B1F