京阪なにわ橋駅の地下1階コンコースに2008年に開館した「アートエリアB1」では、2010年から毎年、アーティストとの協働による実験的な展覧会「鉄道芸術祭」を開催し、新たな表現や価値観を発信してきた。
2022年度からは、vol.0〜10の12年間の記録をもとに、2カ年にわたる企画を展開。前年度に開催したドキュメント展、さまざまな分野の専門家との対話を経て、2023年度は、これまでの鉄道芸術祭の展示、トーク、電車公演のアーカイブ映像を編集し、会期中にアートエリアB1で上映する。
また、次世代を担う20代〜30代のキュレーターや批評家、研究者をゲストに招き、これまでの鉄道芸術祭を批評するトーク・プログラムを実施。本企画が鉄道芸術祭のファイナルとなることから、終了した後のアートエリアB1における現代アートの可能性、「NEXT鉄芸」を模索する。
トークプログラム ゲスト
長谷川 新(はせがわ あらた)
1988年生まれ。インディペンデントキュレーター。主な企画に「クロニクル、クロニクル!」(2016-17)、「不純物と免疫」(2017-18)、「グランリバース」(メキシコシティ、2019-)、「αM Project 2020-2021 約束の凝集」(2020-21)、反戦展(2022-)、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと 宇陀松山エリア SEASON2」(2023)など。「日本戦後美術」を再検討する「イザナギと呼ばれた時代の美術」を不定期連載中(Tokyo Art Beat)。ジュリア・ブライアン=ウィルソン著『アートワーカーズ(仮)』を2024年3月に翻訳出版予定(高橋沙也葉・松本理沙・武澤里映・長谷川新の共訳)。檜山 真有(ひやま まある)
1994年生まれ。キュレーター。大阪市北区生まれ。2023年よりリクルートアートセンター所属。おもな展覧会に、雨宮庸介個展『雨宮宮雨と以』(BUG、東京、2023)、『谷原菜摘子の北加賀屋奇譚』(クリエイティブセンター大阪、大阪、2023)など。現在、キュレーションした展覧会、田中藍衣個展『リバースストリング』(越後妻有里山現代美術館MonET、新潟)が開催中。paperCでの展覧会レビューの連載など執筆多数。高木 遊(たかぎ ゆう)
1994年生まれ。金沢21世紀美術館アシスタント・キュレーター及び、キュレイトリアル・スペースであるThe 5th Floorディレクター。京都生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科キュレーション専攻修了、ラリュス賞受賞。ホワイトキューブにとらわれない場での実践を通して、共感の場としての展覧会のあり方を模索している。主な企画展覧会として「生きられた庭 / Le Jardin Convivial」(京都, 2019)、「二羽のウサギ / Between two stools」(東京, 2020)、「Standing Ovation / 四肢の向かう先」(静岡, 2021)、「アペルト17 SCAN THE WORLD」(金沢, 2022)。岡元 ひかる(おかもと ひかる)
1991生まれ。ダンス研究者。博士(学術)。ダンスの振付や稽古の手法を研究する。現在、兵庫県豊岡市の芸術文化観光専門職大学助教。近年は暗黒舞踏に着目し、論文「舞踏訓練「虫の歩行」における身体経験の再検討-土方巽の弟子・正朔の実践に注目して-」)(『舞踊學』2019(42))、書評「TARB書評:宇野邦一 『土方巽 衰弱体の思想』」などを執筆。2023年夏にNPO法人DanceBox主催「国内ダンス留学@神戸」の「日本舞踊史概論」の講師を務めた。
アートエリアB1 開館15周年記念 鉄道芸術祭vol.0~10
「リ・クリエーション2 ~展覧会の記録からはじまる未来~」会期:2024年3月1日(金)〜31日(日)
会場:アートエリアB1
時間:12:00〜19:00
料金:入場無料
トーク・プログラム
ゲスト、参加者とともに過去12年間の展覧会を振り返りつつ、芸術表現としての“鉄道”、参加アーティストの試行錯誤、時代性、未来の芸術表現の姿について考える。
聞き手:木ノ下智恵子(大阪大学21世紀懐徳堂准教授/アートエリアB1運営委員)、久保田テツ(大阪音楽大学准教授/アートエリアB1運営委員)、文(NPO法人DANCE BOX 事務局長/アートエリアB1運営委員)※オープニングのみ
定員:各回50名程度(無料/申込不要)[オープニング・プログラム]
日時:3月2日(土)19:00〜21:00
ゲスト:長谷川新、檜山真有[クロージング・プログラム]
日時:3月30日(土)19:00〜21:00
ゲスト:髙木遊、岡元ひかる主催:アートエリアB1【大阪大学+NPO法人ダンスボックス+京阪ホールディングス(株)】
企画制作:大阪大学21世紀懐徳堂/NPO法人ダンスボックス/京阪ホールディングス(株)経営企画室事業推進担当
協力:京阪電気鉄道株式会社
助成:公益財団法人朝日新聞文化財団/公益財団法人花王芸術・科学財団問合:06-6226-4006
大阪市北区中之島1-1-1
京阪電車なにわ橋駅B1F