2013年に茨木市主催のアートプロジェクトとして始動した「HUB-IRABAKI ART PROJECT」。「継続的なアート事業によるまちづくり」を主題とし、毎年公募で選出された作家が茨木市での滞在制作を経て作品を発表してきた。
2024年度以降は、プロジェクトの実験の場を生み出し、将来的に茨木市に創造活動拠点を形成していくことを射程に入れて活動を展開する予定で、新ディレクターには内田千恵が就任する。
このリニューアルのキックオフとして、3月30日にトークイベントを開催。トーク前半では、内田と2019年から4年間チーフディレクターを務めた山中俊広との新旧ディレクター対談を行う。後半は、HUB-IBARAKI ART PROJECTのリニューアルに関わる雨森信を聞き手に、アーツセンターあきた理事長であり美術家の藤浩志を特別ゲストに迎え、アートやまちづくり、産学連携のハブである秋田での事例を聞く。
HUB-IBARAKI ART PROJECTで、まちに積極的に関わるチャレンジングな企画を展開してきた茨木市での、新たな実験の場づくりに注目していきたい。
登壇者プロフィール
山中 俊広(ギャラリスト/キュレーター)
1975年大阪市生まれ、高槻市育ち。大阪府立大学経済学部卒業。大阪芸術大学大学院芸術文化研究科博士前期課程修了。
ギャラリストの活動では、「YOD Gallery」ディレクター(2008-11年)を経て、2013年に大阪市此花区にコマーシャルギャラリー「the three konohana」を開廊し、現在も代表・ディレクターとして活動している。
2012年よりフリーランスでキュレーターの活動を始め、これまでの主な活動に「HUB-IBARAKI ART PROJECT」チーフディレクター(2019-22年)、「飛鳥アートヴィレッジ」プログラムコーディネーター(2013-19年)、「奈良・町家の芸術祭 はならぁと」アートディレクター(2014-15年)など、関西の複数の芸術祭・アートプロジェクトで全体統括を担当するディレクター職、「大阪アーツカウンシル」委員(2018-21年)などを経て、現在は2023年より「大阪芸術大学博物館」の学芸員に就いている。
また、近畿大学文芸学部文化デザイン学科と大阪芸術大学芸術計画学科で非常勤講師として、それぞれアートマネジメントの科目を担当している。内田 千恵 ※新ディレクター
1984年大阪府生まれ。 Art 7ten(アールセッテン)運営・代表。
大阪芸術大学卒業。ロンドンメトロポリタン大学院アートマネジメントコース修士課程(MA)修了。
帰国後、コマーシャルギャラリーで勤務(2011-2019)、展覧会企画や海外フェアを主に担当。フランスのアートシーンをリサーチするため現地に1年間滞在(2015-2016)、現地にて日本とフランス間の現代美術の交流発展を目的とした団体Art7tenを設立。
2017年より奈良県に拠点を移し、キュレーション、アーティストマネージメント、翻訳等を中心に活動。環境問題やエコロジーに興味をもち、美術を通した関わり合いを探っている。
主な企画に「ある視点」(2016,2017)「わたしとしぜんと」(2017)、「そして、それは土となる」(2020)、「種を蒔く、それはすべてのはじまり」(2020)、「やがて、その芽は花となる」(2021)、「WUNDERKAMMER -森の思想-」(2022)「奈良・町家の芸術祭はならぁと」のキュレーター(2020-2022)として展覧会企画及び”地球にやさしいエコロジカルな芸術祭” のディレクションを担当。2024年より「HUB-IBARAKI ART PROJECT」の新ディレクターに就任。藤 浩志(美術家 秋田公立美術大学大学院教授 秋田市文化創造館館長)
1960年 鹿児島生まれ。京都市立芸術大学在学中演劇活動に没頭した後、地域社会をフィールドとした表現活動を志向し、京都情報社を設立。京都市内中心市街地や鴨川などを使った「アートネットワーク’83」の企画以来、全国各地のアートプロジェクトの現場で対話とデモンストレーションを重ねる。同大学院修了後パプアニューギニア国立芸術学校に勤務し原初的表現と文化人類学に出会う。帰国後土地再開発業者・都市計画事務所勤務し土地と都市を学ぶ。92年九州に拠点を移し藤浩志企画制作室を設立。「地域資源・適性技術・協力関係]を活用し活動の連鎖を促すデモンストレーションを実践。雨森 信(Breaker Project ディレクター/インディペンデント・キュレーター)
1969年大阪府生まれ。京都市立芸術大学美術学部卒業後、設計事務所、ギャラリー勤務を経て、フリーランスのキュレーターとして活動。2002年NPO法人記録と表現とメディアのための組織[remo]の立ち上げ、企画・運営に携わる。2003年には大阪市の文化事業として「Breaker Project」を始動、地域に根ざしたアートプロジェクトに取り組み、独自の表現手法を編み出すアーティストと共に新たな表現領域を開拓する。「水都大阪2009」、「BEPPU PROJECT2010」、「札幌国際芸術祭2017」、「さいたま国際芸術祭2020」、にてキュレーションやマネジメントを担う。「国際芸術祭あいち2022」ではラーニングプログラムに参画するなど、さまざまなアートの実践を通して、現代における芸術文化の役割やアートマネジメントについて研究する。大阪公立大学都市科学・防災研究センター客員研究員。
新プロジェクトまもなく始動
HUB-IBARAKI ART PROJECT 場づくりについて考える日時:2024年3月30日(土) 14:00開演
会場:茨木市市民総合センター(クリエイトセンター)1階 喫茶・食堂
プログラム:
①14:00~ ディレクター・バトンタッチトーク「今までとこれから」
登壇者:山中俊広(HUB-IBARAKI ART PROJECT2019~2022年度ディレクター)
×内田千恵(HUB-IBARAKI ART PROJECT新ディレクター)②15:30~ ゲスト・トーク「アーツセンターあきたの場づくりの事例とともに」
登壇者:藤浩志(美術家/秋田公立美術大学教授/秋田市文化創造館館長)
聞き手:雨森信(Breaker Projectディレクター/インディペンデント・キュレーター)17:00~交流会
料金:参加無料
定員:40名 ※要申込、申込はこちら
問合:(公財)茨木市文化振興財団 072-625-3055
茨木市駅前四丁目6-16