村上隆やヤノベケンジ、島袋道浩はじめ第一線で活躍するアーティストたちに多大なる影響を与えてきた現代美術作家・榎忠。今年80歳(傘寿)を迎えた記念に作品集『Freedom』が出版され、これに関連してCalo Bookshop & Cafeにて「Freedom+」と題した展示が行われる。
榎忠は1944年香川県善通寺生まれ、神戸在住の美術家。20代から独学で絵画を描きはじめ、1970年に「グループZERO」を結成し、集団ハプニングを展開。脱退後の1977年には、体毛を半身分だけ剃り落としてハンガリーへ出向く《ハンガリー国へハンガリ(半刈り)で行く》、1979年と2006年には、自らバーの女店主「ローズチュウ」に扮する《BAR ROSE CHU》を発表するなど、現代美術界を揺るがすパフォーマンスで世界中の注目を集めた。その一方、定年まで勤め上げた金属成形技術職人としての技術を生かし、鉄の廃材や機械部品を用いた巨大な彫刻、オブジェの制作など大規模な作品も多数手がけている。
『Freedom』は鉄屑として廃棄されるネジや歯車といった金属廃材に新しい生命を吹き込んだ作品《RPM-1200》の遍歴をはじめ、この20年間の活動をまとめた作品集。出版記念の展示「Freedom+」では作品集とその関連資料に加え、これまでの展覧会のポスターや印刷物などの展示、販売も行う。作品集の制作全般に携わった美術家の池内美絵が、展示の企画も務めた。
10月8日(火)、14日(月・祝)、26日(土)には作家も在廊予定(時間は未定)。70年代から現在に至るまで精力的に制作を行う美術家の来し方行く末に立ち会いたい。
榎忠作品集
榎忠 2004-2024『Freedom』
A4サイズ、80ページ、並製本、フルカラー
2024年7月11日発行編集・構成:榎忠、池内美絵
デザイン:池内美絵
寄稿:岡田淳、都筑正敏、出原均、椹木野衣、柳幸典
発行:榎忠
榎忠作品集『Freedom』出版記念企画 「Freedom+」
日時:2024年10月8日(火)~26(土)12:00~19:00(土曜は~18:00)
※14日(月・祝)は18:00まで、19(土)は休み、最終日は17:00まで定休日:日・月曜
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル5F