出垣内愛は、所持している思い出の衣類を燃やし、灰をガラスへと変換させて釉薬を制作しました。普段は金属を配合することで色彩や模様を構成しますが、本展では、自身が衣服を通して自認するアイデンティティや思い出と向き合うため、基礎の調合となる灰のみで構成された釉薬を使用した作品を展示します。
出垣内は、釉薬自体がメディウムの役割りだけでなく、自身の内面環境を語る言葉になり得ると考えます。配置された造形と釉薬の艶めきから、その複雑な意思が伝わればと思います。
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出垣内愛(でがいと・あい)プロフィール
17歳の頃より赤膚焼に影響され陶芸を始め、各地の窯業施設に赴き窯焚きや原料製作を学ぶ。
還元焼成をアレンジした冷却還元焼成を中心に緻密な温度・時間管理のもと、独自の釉薬を生み出す。
素材選定や釉化過程のなかで自身のコミュニケーションや素材の記憶を釉薬に定着・表象させることを肝要としており、手びねりによって形成される造形に釉薬の重ねることで、環境と自身の記憶を包含させている。
主な展示に、2021年 女流陶芸展(京都市京セラ美術館/京都)MY STYLING STORE(阪急梅田本店/大阪)2022年 枕崎国際芸術賞展(南溟館/鹿児島)2023年 SICF24(スパイラル/東京)2024年 個展And you(JITSUZAISEI/大阪)
会期:2024年11月2日(土)〜10日(日)
会場:SHABBY’S MARKETPLACE
時間:10:00〜18:00
休業:水・木曜
大阪市西淀川区歌島2-9-4 2F
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