
大阪市内を南北に流れる東横堀川は、大阪の河川の中で唯一全面を高速道路に覆われた川だ。2021年に川岸と水辺を活用する新たなコミュニティスペース「β(ベータ)本町橋」がオープンしたが、それ以外の川の両岸には未利用地が多く残されている。
沿川の護岸耐震補強工事により水辺空間が拡幅されることを契機に、2023年に「東横堀川水辺プラットフォーム検討会」が始動。官民連携で、東横堀川とまちのつながりを取り戻し、人が集まる水辺へと再編していく取り組みが始まった。閉じている水辺資産を定常的にひらいていく「ひらくプロジェクト」の一環として、現在、旧水門施設を試験的に利用する「東横堀川水門ホテルプロジェクト」が進行している。

東横堀川旧水門施設は1978年に高麗橋の北側に設置され、東横堀川・道頓堀川の水質浄化を図る役割を担っていたが、2001年に新たな水門が完成し、旧水門はその役割を終えた。現在は旧水門のゲートは撤去され、操作室などがあった管理施設と連絡橋、ゲートの支柱のみが残っている。
検討会事務局は、水辺を望む立地にあるこの建物を活かしたいと考え、検討会の委員であるデザイナー・原田祐馬(UMA/design farm)に相談。旧水門施設を具体的に改修・利活用していくためのプロジェクトチームに、UMA/design farmと建築家集団・dot architectsが参画することになった。
当初は泊まれるホテルに改装する構想もあったが、施設のインフラ面の課題もあり、より多くの人に多様な使い方をしてもらえるような施設とすることに。旧水門施設を東横堀川に訪れる人々を受け入れるホテルと見立て、「SUIMON HOTEL HIGASHI-YOKOBORI-RIVER」と名付けて、施設の1室をホテルのフロントとしてひらく。
2025年3〜5月のプレ実験期間を経て、2025年6月〜2026年3月の間はこの場所を使いたい人に実際に利活用してもらう予定だ。
最初の公開イベントとして、2025年3月7日(金)〜9日(日)に、建築とアートの領域をまたぐ専門書店「新建築書店」のポップアップイベントを開催。また3月30日(日)はオープンデーとして施設内を見学できる。実際に現地を訪れることで新たな水辺の拠点の魅力を体感し、この場所の可能性を考えてみたい。
東横堀川水門ホテルプロジェクト
Art Direction/Design:UMA/design farm
Architect:dot architects
Produce: 東横堀川水辺プラットフォーム検討会協力:
株式会社中川ケミカル(カッティングシート提供)
お掃除ワークショップ参加者のみなさんイベント
新建築書店 | POST architecture books ポップアップイベント
建築専門雑誌を発行する新建築社と恵比寿の書店POSTが共同で運営を行う,建築とアートの領域をまたぐ専門書店が出店。
日時:2025年3月7日(金)〜9日(日)11:00〜19:00(最終日は16:00まで)お花見オープンデー
桜が咲いているだろう3月末に、誰でも見学・滞在してもらえるオープンデーを開催。
日時:2025年3月30日(日)11:00〜17:00問合せ:東横堀川水辺プラットフォーム検討会・事務局
一般社団法人 水辺ラボ(担当:依藤・助野)pf@hommachibashi.jp
東横堀川旧水門
大阪市中央区高麗橋1丁目1付近