
肥後橋のギャラリー・Yoshimi Artsにて、現代美術家・西山美なコの個展「〜 destiny of Sugar Rose 〜」が開催される。
西山は1965年兵庫県生まれ・在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。
本展では、2000年代から継続して制作・発表している、砂糖を用いた作品《Sugar Rose》を、時間を経たものから新しいものまで一堂に展示する。
西山美なコは、等身大の「リカちゃんハウス」を思わせる《ザ・ピんくはうす》(1991) や宝塚の書き割り風の作品など、少女文化を援用した立体作品で注目を集めました。日本独自のサブカルチャーを媒介とした美術作品を制作し始めた世代の一人です。
《♡ときめきエリカのテレポンクラブ♡》(1992) と《もしもしピんク〜でんわのむこう側~》(1995) における90年代日本の風俗産業をモチーフにしたテレホン・プロジェクトでは、少女文化と性風俗の象徴でもあるピンクの持つ二面性が、消費文化と交差していたことを物語っています。
90年代後半から、砂糖や卵白といったお菓子の材料を用いて作った王冠《Sugar Crown》(1999) や薔薇など、甘く儚い作品を制作し始め、時とともに姿が変化していく様子を捉えるようになります。また、これまでに、模様の探求、かろうじて知覚できるような壁画のシリーズ、光への強い関心から気付いたという色の反射を活かした「レフ・ワーク」のシリーズ、そして近年では映像を使うなど、多様な素材や技法を用いて、ものごとのありようを探っています。
本展では、2000年代から砂糖で制作している《Sugar Rose》を展示いたします。砂糖で出来た薔薇を使ったインスタレーション作品は「六甲ミーツ・アート芸術散歩2014」 (兵庫) や「瀬戸内国際芸術祭2022」(高見島/香川) などで発表され、現在開催中の「瀬戸内国際芸術祭2025」(高見島/香川) では、2022年から3年経過した姿とその間撮影したタイムラプス映像を公開しています。
今回は20年あまりの時を経たものから現在までの《Sugar Rose》を一堂に揃え、おのおのがゆっくりと移ろっている姿とともに時の流れを可視化する試みを展示いたします。
(プレスリリースより)
会期:2025年10月25日(土)〜11月16日(日)
会場:Yoshimi Arts
時間:12:00~19:00 ※日曜は~17:00
休廊:月・火曜
問合:06-6443-0080
大阪市西区江戸堀1-8-24
若狭ビル3F