
ステートメント
時々、人がご飯を食べているのを見ているとゾワッとする。たまに会って話すくらいの関係だけど、この人も生きているんだと実感させられるような感覚。家にお邪魔してその人の匂いを感じ取ってしまった時もゾワゾワする。同じ時間をこの人も生きていると自覚させられて、急に相手との間にある空間が掴めなくなる。駆け引きのように空気が張り詰める。自分自身のことさえ理解できないのに、相手のことなんて理解できるはずがない。けれどその人にも血が通っていて肉や骨がある。そんな人間と今この瞬間関わってるんだと思うと、生々しさを感じ鳥肌が立つ。
その生々しさは、本来誰にでもあるように感じる。けれど覆い隠したり、体裁を整えてまるでなかったかのように振る舞う。その気持ち悪いくらい生々しい感覚をそのまま見せてほしい。
描く行為は、確かにここに居たと認識できる痕跡だ。絵の具の筆跡は、他者との見えない繋がりを残す手立てだ。取り繕ったり誤魔化したくない。無理やり言葉を当てはめて、あたかも全てに理由や意味があるようにしたくないし、自分に嘘もつきたくない。誰かにとやかく言われる筋合いもない。手の内を見せてやる。不完全で剥き出しな生々しさを鑑賞者から引き出し、生きていると実感できる感覚を見出したい。
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2000年大阪府生まれ。2024年東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒業。2025年から大阪府を拠点に活動。
美術高校に通い絵画を専攻、大学在学時では写真、映像、立体、デザイン、パフォーマンス、照明設計など、様々な表現方法に興味を持ち制作を行う。完成に至るまでの過程や、手を動かして作ることを重視し、個人的な体験から感じ取った感覚をインスタレーションとして落とし込む作品制作を試みる。現在は絵画を中心に、確かにここに居たと認識できる痕跡から他者との見えない繋がりを想起させ、不完全で生々しい感覚を引き出す作品を制作する。受賞
2026 第7回 丹波アートコンペティション 植野記念美術館賞(U40)
2025 第67回 宝塚市展 優秀賞
深由依 個展「パーフェクトにちゅうちょする」
会期:2026年4月3日(金)〜13日(月)
時間:12:00〜19:00(最終日は17:00まで)
休廊:火〜木曜
大阪市城東区今福西1-3-23


