大阪出身の美術家・小出麻代による個展「黙字 silent letters」が、北加賀屋の千鳥文化ホールにて開催される。
黙字とは綴りの中で発音されない文字、存在はするが音を伴わない字素のこと(「和泉(いずみ)」の「和」など)。小出は近年、さまざまな場所に赴き、場所そのものや、そこに関わりを持つ人とのやりとりを起点に「記憶」や「時間」にまつわるインスタレーション作品などを制作してきた。しかし、COVID-19の感染拡大による移動・接触制限により、これまでのようにどこかに赴き直接誰かに話を聞き、何かを見つけることから制作を進めていくことが困難に。そこで小出は、他者の日常を想像し時間を共有するための方法のひとつとして、友人宛に手紙を書くことにした。
個人という単位の集積から「コロナ禍の日常」という広がった世界を想像し、聞こえない音を響かせようとする試行から得たフィードバックを新たな起点として、本展では新作インスタレーションを展開する。
小出麻代
1983年大阪府生まれ。2009年京都精華大学大学院芸術研究科博士前期課程版画分野修了。
近年は様々な場所に赴き、場所そのものや、そこに関わりを持つ人とのやり取りを起点に「記憶」や「時間」にまつわるインスタレーション作品などを制作している。
主な個展に「形代ーかたしろ」( オーエヤマ・アートサイト、八木酒造/ 京都/2020)、「うつしがたり」( 枚方市立御殿山生涯学習美術センター/ 大阪/2019)、「地に還るー地から足を離す」(Gallery PARC/ 京都/2018)、 グループ展に「生業・ふるまい・チューニング 小出麻代ー越野潤」( 京都芸術センター/ 京都/2018)、「大地の芸術祭越後妻有アートトリエンナーレ2015 枯木又プロジェクト」( 旧中条小学校枯木又分校/ 新潟/2015)、アーティスト・イン・レジデンスに「END OF SUMMER 2018」(YaleUnion/ ポートランド、アメリカ/2018) など。
会期:2020年11月21日(土)〜12月20日(日) *12月4日より当面休止
会場: 千鳥文化ホール
時間:11:00〜18:00
休館:火・水曜日
入場料:500円(ドリンク付)
主催・企画:adanda
問合: kotaro@adanda.jp
大阪市住之江区北加賀屋5-2-28