デザインプロジェクト「elements」による展示会「思考を積み、束ねること」が、11月3日(火)より丼池繊維会館にて開催している。
elementsは、ものづくりをするプロセスにおいて、自身の周りに存在するさまざまな現象や要素を探求していくプロジェクト。メンバーは、置田陽介(アートディレクター/Attitude inc.代表)・横山道雄(グラフィックデザイナー)・井上真彦(建築家)の3人のクリエイターで構成されている。
本展は、elementsがこれまでテーマとしてきた「積む・束ねる」を探求する過程で発見した、複数人によって「思考を積むこと・束ねること」の可能性と面白さを探る内容となっている。会場に並ぶ作品は、メンバー3人が部材を送り合い、各々で手を加えたものをまた送り合うという文通のような方法でつくられたもの。互いの意図は一切伝えず、ただ部材だけを送り合うことで生まれた作品には、予定調和を脱し、自身の思考とはかけ離れた新鮮な発見や驚きが内包されている。
また、本展は二部制となっており、第二部では出版レーベル「RONDADE」により、第一部に再編集が加わる。
私たちelementsによる2つ目のテーマである「積む・束ねる」を探求する過程で、モノを積むこと・束ねることに留まらず、複数人によって「思考を積むこと・束ねること」の可能性と面白さの発見に至りました。
先人達が長い年月を掛けて築き上げた知恵や技術は、時代時代、場所場所のさまざまな目標値や思考が入り交じり、失敗や成功が積み重なって、それらが相互に対話を繰り返しながら、少しずつ築かれていったものです。
一方、私たちがものづくりに取り組む際、どこかに目標値を設定しそこに向かってトライアンドエラーを繰り返しますが、1人で取り組む場合はどうしても一度決めた目標設定と自らの思考の枠から外れることは難しく、またグループでおこなう場合でも、さまざまな制約の中、その思考は一定方向に直線的に積み上げられ、予定調和を脱しきれないケースが多いように思います。
このような気付きをもとに、我々はひとつのトライとして、メンバー3 人が部材を送り合い、各々で手を加えたものをまた送り合うという文通のような方法でものづくりをしていく試みを行っています。(その際お互いの意図は一切伝えず、ただ部材だけを送り合います。) この方法では、受信者は、送られてきた部材を通してのみ送信者の思考と対話をおこない、次の一手を加えることになります。
その一手は往々にして送信者の意図とはかけ離れたものになり、その時点で予定調和は崩れますが、反面、1人では考えもしなかった新鮮な発見や驚きが内包されているのです。
来場者の皆さまも、この取り組みの参加者の一人になったつもりでご覧頂けると幸いです。(elements Webサイトより引用)
elements「思考を積み、束ねること -STACK AND BIND, your thoughts unwind-」
会期:第一部 2020年11月3日(火・祝)〜11月10日(火)、第二部 11月12日(木)〜11月16日(月)
時間:11:00〜19:00
場所:丼池繊維会館 202号室
大阪府大阪市中央区久太郎町3-1-16