幼少期より書に親しみ、言語学の博士号を持ちながら、美術家として「ことば」の多義的な意味や形象をモチーフに、ドローイングや墨を用いた多彩な作品で活動の幅を広げる佐佐木實。関西で初めてとなる本展では、個人の名前から広がるイメージが小さな生命体や星々のように連なる初期作『First Names』のシリーズ(1993-)から、人の似姿のような同一の文字「イ」に仮託された意味の異なりや性質のずれが、抽象的でありながらも、より強い個性を持った生き物のように、多様にうごめき響き合う近作『イ充つ』のシリーズまで、約20年の間に素材や技法を変えながら佐佐木が取り組んできた作品約20点を変遷の過程を交え、ご紹介いたします。
長い歴史を持つ言語や書の世界と往来し、飛躍しながら、次第に独自の造形と生命を持ち始めた佐佐木の世界。
文字の放つ“ことだま”のように、形象の中に露わにされた、複雑でありながらもいろか漂うたましいに出会えますように。(企画:小田鮎子)
会期:2021年 7月2日(金)〜25日(日)
会場:G&S 根雨
時間:13:00〜19:00
休廊:水・木曜日
料金:入場無料
問合:06-7709-3790(開廊中のみ応答) g.s.neu.contemporary@gmail.com
豊中市服部元町1-6-1-1F