大阪を拠点に活動するクリエイティブユニットgrafの徳島オフィス「graf awa」が、さらなる発展を目指し、同県美馬市にある古民家を活用した複合施設「ーみんなの複合文化市庭ーうだつ上がる」内に2021年9月1日(水)に移転オープンした。
1998年よりスタートしたgrafは、家具の製造・販売、グラフィックデザイン、空間デザイン、プロダクトデザイン、カフェや食、音楽のイベント運営など、「暮らし」にまつわるあらゆる事柄に領域を超えて取り組んでいる。2018年には「graf awa」をオープンし、都市と地方の働く環境の価値について考察を深めてきた。
今回の移転では、昨今オンラインでのコミュニケーションが発展していくなか、「体験の価値」を改めて実感できる場所とはなにかという定義を、「うだつ上がる」の店主であり、TTA+A 高橋利明建築設計事務所代表の高橋利明氏と協働し図っていく。
また、移転オープンした「graf awa」では、これまでと同様、建築設計、家具デザイン・製造などのオフィスとしての機能に加え、grafの家具やプロダクトを扱うショールームが加わった。これまで大阪のgraf店頭でのみ取り扱っていたオリジナル家具シリーズ「Narrative」も並んでいる。
今後は、つくり手と使い手がコミュニケーションを育み、つながる場となるような企画や情報発信を予定。これまでにも「体験」というキーワードで、さまざまな「場」をつくり上げてきたgrafの新しい展開に注目していきたい。
服部滋樹(graf代表)からのコメント
3年前に植えた苗木が、育ったように緑がすくすく大きな屋根を作って くれました。様々な出会いから、徳島の地で新たなスタートをきりま す。今までの機能にショールームを追加し四国の大きな拠点となるよ うな期待をしつつ。作り手と使い手の想いが繋がる場所 として様々な 提案を発信していきます。“うだつあがる” 周辺の仲間達と共に建築設計 業務やブランディング、アーティストや作り手の発掘などなど新たな 発信に乞うご期待です!
高橋 利明(TTA+A-高橋利明建築設計事務所代表)からのコメント
2020年のコロナ禍にうだつ上がるはオープンしました。それから一年、世間が 「距離」を考えることが当たり前になり、ものに触れること、人と会うこと、 移動することなど、あらゆる距離が、問われる時代になったと誰もが実感して いると思います。 その中で、今を編集していきながら、場所があることの可能性や、ものとの対話。 目的とは違う事象に出会う感動。都市と地方、地方と地方。これからの「距離」 との関係を見出していきたいと思っています。 grafと共に、これまで培ってきた互いの強みを活かし、コップ一つからパブリック まで、次の時代へと紡ぎ、体温ある経済を創出できることを楽しみにしています。
徳島県美馬市脇町大字脇町156