大阪を拠点とする映画監督・小田香が、ぴあフィルムフェスティバル(PFF)が新設した「第1回大島渚賞~Oshima Prize 2020~」を受賞した。『鉱 ARAGANE』、『セノーテ』と、独自の映画言語で強靭な作品を生み出していることが評価された。
大島渚賞は、映画の未来を拓き、世界へ羽ばたこうとする、若くて新しい才能に対して贈られるもの。審査員長の坂本龍一(音楽家)、審査員の黒沢清(映画監督)とPFFディレクターの荒木啓子により選定された。
小田は1987年大阪府生まれ。2013年、ハンガリーの映画監督タル・ベーラ(『サタンタンゴ』『ニーチェの馬』)が陣頭指揮する若手映画作家育成プログラム「film.factory」(3年間の映画制作博士課程)に第1期生として参加し、2016年に同プログラムを修了。2015年ボスニアの炭鉱に入った第1長編作品『鉱 ARAGANE』が大きな話題を呼んだ。2019年には、メキシコを舞台に、古代マヤで現生と黄泉を結ぶと言われる泉セノーテをめぐって交差する人々の今と昔を描いた最新作長編『セノーテ』が完成。山形国際ドキュメンタリー映画祭、ロッテルダム国際映画祭など世界各国の映画祭で上映されている。国内では6月に劇場公開予定。
3月20日に東京・丸ビルホールで開催される「第1回大島渚賞 記念上映会」にて、『セノーテ』の上映と、小田、坂本龍一、黒沢清によるトークが行われる。(新型コロナウイルス感染防止のため、既に前売券を購入済みの人のみ入場可)。
あわせて、3月18日(水)〜22日(日)に東京の3331 Arts Chiyodaにて開催される「3331 ART FAIR 2020」にて、小田が『セノーテ』編集期間に描いてきた絵画「muse series – paintings of Cenote」が展示される予定。